プログラム ページ46
〜・〜・〜・〜
データエラーの文字が目の前を埋め尽くす。人間の言葉で言うと、胸騒ぎというものか。僕は走っている道の先をじっと見つめる。
リルが無事なはずがない。
至って平凡な仕立て屋の息子を誘拐する、おかしな組織だ。彼になにか危害を加えられる前に"ヤツ"の元へ行かなくては。
グシャッ
足元で音が鳴る。
下を見てみると、そこには僕の写真が。
監視されている。今この瞬間にもヤツに見られているに違いない。はやくドンとリルを探さなくては────！
《ｶﾞｰｯ・・・───ﾋﾟｰｯ､ﾋﾟｰｨ───》
スピーカーから、シャッターを爪で引っ掻いたようなノイズが走る。焦る気持ちをそばに、私はそれに注目した。
《君たちの探し物は私が大事に取ってあるよ。はやく受け取りにおいで。
私は扱いが荒いんだ。壊してしまう前に》
「彼にチップを？」
私は声を少々荒げ、メッセージだけの存在に強く問いた。
《君に少し似せて作ったんだよ。それよりも、はやく彼に会いにおいで》
「どこにいる」
今度はハワードが声を張り、たずねる。
《彼の口から言ってもらおう》
・・・リル？
《・・・ビルの最上階だ。世界一素晴らしい美術家に私は拘束されてる》
震え声:動揺50%
歯ぎしり:トーンの低い声
何かおかしい。洗脳でもされてしまったのか。いいや、彼の声はトーンが低い。目の前にいる"ヤツ"に対して睨みをきかせながらタイプを読み上げている。
《褒美は何がいい？自由にものを言える権利か？それとも白旗をあげたくて仕方ない？
・・・ああ、分かったよ》
《フーリッシュ、マッド、仕立て屋の息子がいる部屋は私のいる部屋から遠い。
彼を優先するんだ》
「君が望むならそうするが、僕のミッションエラーに繋がる」
《いいだろう、ルールの一つや二つくらい！
君が私に言った言葉を覚えてるか、そっくりそのまま返すよ！》
「何も感じないとでも？」
《何を言ってるんだ》
「君と過ごした3ヵ月の中で、僕が君に絆されないとでも？」
《フーリッシュ》
「君を守ることが僕のプログラムであることに、僕は感謝してるよ」
《フーリッシュ！！マッド、彼を止めてくれ》
「私にどうしろと？」
《今、私のいる部屋には20人ほど警備がいる。外にはこれの倍。きっと仕立て屋の息子の部屋も同じ状態だろう》
「その警備員を倒せと？」
《彼の部屋にいる警備員をだ》
「・・・"手分け"をするという発想を知らないほど私は鈍っていないよ」
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです！ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい！ (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました！拝見させていただきますね！ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロユリ☆★ | 作成日時：2018年7月25日 13時
