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自白剤 ページ36

〜・〜・〜・〜


私の合図を読み取ったフーリッシュは、先ほど渡した葉巻とライターをポケットから取り出す。それに乗じて、私は彼女に言う。


「屋上で一緒に葉巻でも」


「葉巻の味にはうるさいわよ」


「私が厳選した葉巻だ。
きっと君も気に入る。ほら」


私は彼女の手を取ってエスコートし、フーリッシュについてくるよう促す。すると彼は、私の耳に手を回し、何かを付着させた。


「なに?」


「盗聴器だ。僕はドアのそばに。

屋上のドアは上部分にだけ窓があった。戦闘態勢に備えてひっそり武器の手入れができる」


私たち2人は屋上へつき、どこまでも広がる、星のような夜景を背景に、バルコニーへ寄りかかった。


彼女に葉巻を渡し、ライターの火をつける。いったいこれは何の効果が?


私は一度吸ったが、正直なんの効果があるのか、吸った本人、私でも分からなかったのだ。


どうなるものかと彼女の様子見をする。フーリッシュは屋上に入ってこず、そのまま窓の前に立っていた。よく見ると腕が若干動いている。


ちょうど小さな丸いドアからは見えない場所で武器の手入れをしているのだろう。


「・・・彼がどうかした?」


「ああ。なんでもないよ。

入ってこないのかと思ってね。いつもは私にベッタリついてくるんだが」


「仲がいいのね。羨ましいわ、あんなに有能そうで、ゴージャスな彼と親しい関係なんて。

アンドロイドの彼氏でも持とうかしら。出来れば彼似のモデルが欲しい」


やっぱり、私の勘の警告は間違っていなかった。彼を見る時だけ目が鋭い。


その青い目から発せられる光は、明らかに彼に対する好意を意味する光だ。だが私は知っている。そして彼も知っているはずだ。


彼女からの好意ほど、身構えざるおえないものはないと。


「買うなら借金覚悟は必須。ところで、君の名前は?私は────

メイソン・リーマン」


「リー・レイ」


「素敵な名前だ」


「・・・ありがとう」


いい反応を示した。このまま行けばなんとか情報を得られるかもしれない。誘拐された"少年"の情報が────。


「ところで、なぜペンギンスーツを?」


「ああ、制服よ。最悪よね。おとといまで長かった髪もこの任務のためにバッサリ」


「・・・そうなんだ」


自白、と思っていいのか?


私はなんの前触れもなく現れた葉巻とライターの効果に、手がかりを得られるという嬉しさ半分、戸惑った。


ふとフーリッシュを振り返る。彼はいつにも変わらぬ表情で頷く。


「君の職業の詳細を知りたい」

ドン・コネリーの帰還→←バーの女



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設定タグ:オリジナル作品 , ミステリー , アンドロイド   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです!ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい! (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました!拝見させていただきますね! (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロユリ☆★ | 作成日時:2018年7月25日 13時

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