生存率0% ページ33
〜・〜・〜・〜
「アンドロイドを探す。君は人間を」
「了解だ」
二手に別れ、ペンギンスーツを着た人間を探す。とはいえ、ひどい人混みだ。
ペンギンスーツを着た人なんてそこら中にいる。一度混乱に陥ったが、冷静にハワードの言葉を記憶の山から掘り出す。
何とか思い出したが、問題がまた浮上した。
ペンギンスーツを着ている人なんて道端の石のように転がってる。この中で獲物を定めるのは無理だ。
するとイヤホンの向こう側から声が聞こえ、私はとっさに小声で話しかける。
「とらえた?」
《雑学は好きかい?》
第3者に話しかけているような口調。私の話は聞いていないようだ。こっちは一大事だというのに、なぜ呑気に───
《これは僕が実際目で確かめた雑学。
この会場にいるペンギンスーツ姿のCIAは全員右手の薬指に指輪をはめている》
「!」
重要なヒントを得た。だが今彼の目の前にいるであろう第3者は"CIA"という言葉を聞いたとたんフーリッシュに襲いかかるだろう。
私は急いで後ろのバーを振り返る。
が、さっきまでペンギンスーツの女性アンドロイドと話していた彼が見当たらない。
ダメだ、今彼を援護しに行ったら確実に任務に支障が出る。彼ならきっと平気だ。
私は溢れ出る心配を押し込み、なにかに焦らされるように右手の薬指にリングをはめている人物を探した。
〜・〜・〜・〜
ドッ!!
腹部:損傷30%
頭の中に警告が流れた。腹にダメージを受け、怯んだすきに拳を上から頭に振り下ろされる。
叩き落とされるような感覚で床に手を付き、グワンと起き上がり、相手の攻撃を押さえつけてカウンターをする。
彼女の拳は彼女の顔面にヒットし、どうやら視力機能を損傷したようだ。
そのすきに一発かます。
そしてまた一発、彼女の心臓部を殴る。
悲痛なあえぎと共に振り下ろされた怒りの鉄拳。それは見事僕に当たり、彼女に押し倒されるように床に転がった。
「あなたの生存率は20%
あと一発殴れば10%減になります」
彼女は言う。
とっさにあたりをスキャンする。彼女の足元の銃、残り一発。そしてドアからは────。
「君の生存率は0%
あと2秒待てば君はシャットダウンされる」
バンッッ!!!
理解もままならないまま、ドンと開いたドアからヘッドショットを受けた彼女。そのまま僕の首に銃口を向けたまま動かなくなった。
そこから抜け出し、銃声の主を見据える。
「メイソン、それは?」
「情報を絞り出したあと奪った。ペンギンスーツの美しい女性から」
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです!ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい! (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました!拝見させていただきますね! (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロユリ☆★ | 作成日時:2018年7月25日 13時