正しい判断 ページ18
〜·〜·〜·〜
車椅子から引き剥がされ、成すすべもなく担がれてしまった。私の名を呼ぶフーリッシュがどんどん遠ざかっていく。
フランツは身軽にパルクールをし始め、彼に担がれている私は軽くパニックになる。
「離せ！私をさらって何になるっていうんだ！？フランツ、下ろしてくれ！」
「いやだ！捕まりたくないんだ・・・捕まったら俺はシャットダウンされる！！」
私を抱える手が小刻みに震えている。手の力は緩み、今にも落ちそうだ。
それはそれで助かるのだろうが、パルクールをしている状態で彼から落ちたら元も子もないので、私は必死に彼にしがみついた。
「ここにいろ！」
放り出されたのは、高層ビルの屋上の端っこ、つまり崖っぷちだ。さすがの私も恐怖を覚えた。
体が麻痺していて、動くことすら出来ない。やがてフーリッシュとドンが追いつき、フランツに銃口を向けた。
それと同時に、フランツも彼らに銃を向ける。
「近づくな！
こいつがどうなってもいいのか！？」
「彼を離せ」
「銃を下ろしたらな！」
フーリッシュは一向に銃を下ろそうとしない。私の思い込みでなければ、その瞳はどこか殺意で揺れているように見えた。
「フーリッシュ！君が怪我をするのはごめんだ、銃を下ろしてくれ」
「あなたを第一に守るようプログラミングされている、それは出来ない」
「君なら正しい判断が出来るはずだ！！」
私が声を張り上げると、フーリッシュはハッとしたように目を見開き、銃を見つめた。
「・・・アンドロイドも堕ちたもんだな、人間ごときに絆されちまうなんて」
フーリッシュはフランツから目を離さず、そのまま銃を床に投げ捨てた。
「ほら、銃は捨てた。彼を離せ」
「お前を含めアンドロイドは、もともと感情なんて持っちゃいけないんだ・・・
いずれお前もこいつに捨てられる、俺みたいにな！！」
フランツは私の頭に銃口を押し付け、引き金を引きかける───。
が、彼はそれが出来なかったのか、私をドッと突き放した。体が浮く感覚がする。
さっきまで座っていた崖っぷちが、スローのように遠のいていく。
死を覚悟して目を閉じると、体の浮遊感がいきなりなくなった。
かわりに、腕に違和感。
目を開き、違和感の正体を確かめようと上を見上げると、そこには───
私の手を掴んだフーリッシュがいた。
「手を離さないで！！」
あまり声を張り上げない彼が、大声を出した。私は答えるように、強く彼の手を握り返す。
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです！ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい！ (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました！拝見させていただきますね！ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロユリ☆★ | 作成日時：2018年7月25日 13時
