なんで、戻ってきたの…？

第二話 ページ4

敦side

太宰さんが出ていったオフィスで、最初に国木田さんが口を開いた。

「さっきのは、どういう意味ですか？戻るとは一体。」

「そのままだよ。太宰は、ポートマフィアに戻ったんだ。」

乱歩さんは当然のように云った。オフィスにいる人達が、息を飲む音がした。

「何故です、太宰さんはどうしてポートマフィアなんかに……」

僕は、訳がわからなかった。苦労して抜けた筈のポートマフィアに、何故戻ってしまったのか。あの電話はなんだったのか。
すると、乱歩さんは言った。

「さっきの電話は、ポートマフィアの首領からだろう。内容は、ポートマフィアに戻ってこい。恐らく人質を取られているんだろう。恋人か何かだ。」

皆は、動揺しながらも、静かに乱歩さんの話を聞いていた。

「そして、当分は彼奴に連絡をとることは出来ないだろう。太宰のことだ、僕達だと解れば出ないようにするだろうからな。今は、待つしかない。」

乱歩さんは、冷静に、けれど苦しそうな目をして話していた。其れを見て、今の話が事実であることを悟った。

「太宰さんは、戻ってくるんですよね？」

「……恐らくは。只、そのためには、人質となった人物の働きかけが必要だ。その人物が動くのが何時かは、まだ解らない。」

乱歩さんが解らないなんて……、やっぱり、待つしかないのか。でも、きっと戻ってくる。信じていよう。

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