４ ページ16
聞いたことなかった、Aちゃんの気持ち。
それに、初めて、名前で呼んでくれた・・・
あかん、にやける。
「ほんまは、最初から大倉んこと、
好きやってんもんな。
A、やっと素直になれてんな」
ヤスが、Aちゃんの気持ちなんて、
なんもかも分かってるて感じで、言うて。
何気に、Aちゃんの頭に、
手のひら、乗せようとしてんの気付いて、
「ちょ、ヤス、もう俺ん彼女やねんから。
気軽に触んなや」
さっと、その手、振り払ってしもた。
Aちゃんも、真っ赤やし、
ヤスも、俺の突然の行動に、呆気にとられてる。
ちょっと切ない、
男の目をして、俺を見たから、
一瞬、ドキっとした。
けどすぐに、笑顔んなって。
「ごめんやん。
大倉、やきもち妬きやねんなあ。
これからは、
気安う触らんように気ぃつけるわ。
大倉、怖いし。
二人きりでも、もう会われへんな」
明るく笑い飛ばす。
Aちゃんが、
「章ちゃんは、特別だから。
今まで通りでいいよ」
焦って、訂正した。
特別やから、嫌やねん。
もう絶対に俺がおらんとこで、
会わんといて欲しい。
はっきり言いたいけど、
嫌われんのが、怖い。
まだ付き合いたてで、
関係が、しっかりしてへんの、
分かってるし。
些細な事で、
はぐれてまいそうで・・・
そのタイミングで、
弟から電話かかってきて、
仕方なく外に出る。
Aちゃんとヤスを、
二人きりにしたないねんけど。
「もしもし、どうした？
トラブル？」
また呼び出しか思ったけど、
口頭の指示で大丈夫でほっとした。
「じゃあ、お疲れ様」
電話切って、店ん中に戻ろうとしたら、
ヤスが出てきた。
「大倉、俺、もう帰るな。
二人の邪魔したらあかんし」
「え？なんでなん？
まだええやん」
「また、A抜きで会おうや。
ええやろ？」
「当たり前やん」
ヤスは、俺にとっても、
もう大事な友達になってる。
「大倉、ほんまにAんこと頼むな。
俺が幸せにしてやられへんかった分も。
あの時、めちゃめちゃ傷付けてもうたから・・・」
「ヤス、ほんまはAちゃんのこと・・・」
「何言うてんやろ。
酔うてんかな、俺。
大事な妹に彼氏出来て、
やっぱ寂しいんやな。
ごめん。帰るな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yume.no.(プロフ) - うぅーーっ！！苦しいーーーっ！！こうなることはわかっていたけど、やっぱり切ない悲しいですね(;_;)こんな幸せから一転！foolさんのお話は引き込まれますね！書くのも辛くなりそうな展開なので無理されず！でも楽しみにしていますね♪ (2019年12月20日 1時) (
レス) id: 979f5b0d6b (このIDを非表示/違反報告)
まゆ☆まゆ(プロフ) - やっぱりfoolさんのお話は最高です！たくさん更新してくれて嬉しいです。これから更に切なくなっていくと思いますが続きを楽しみにしてます♪ (2019年12月19日 20時) (レス) id: 8a01f69d5a (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - ここまでの甘々、楽しかったです…続きも楽しみにしてます♪ (2019年12月19日 17時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - そんな私の小言はどっかに置いといて下さい！！！続きハイパー楽しみにしてます＼(^o^)／ (2019年12月17日 23時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 更新嬉しくてすぐコメントしちゃいました笑♪実は勝手に挿入歌のように思ってる曲があるんだけど…宇多田ヒカルさんのPlay A Love Songなんですが…冬から春になる季節感やテンポ感が私の中でシンクロしてて…っていう勝手な感想でした笑 (2019年12月17日 22時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年10月23日 13時
