皇帝はとある子に夢中【天祥院英智】 (ページ11)

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夢中 10 ページ11

ｴｲﾁ「迷惑？」

『はい、だって…』

だって…

『私は補佐する立場なのに教えてもらうなんて…手間がかかりますよ？効率が悪いのでは…。』

ｹｲﾄ「はぁ。英智に倒れられた方が効率が悪い。それと比べたら全然ましだ。」

『そ、そんなもんでしょうか…。』

ｹｲﾄ「そんなもんだ。」

そう、か…
やっぱり、この学院にとって天祥院先輩は
大切な存在…

“皇帝”なんて異名を付けられるくらいだから
結構恐れられてると思ったけど…違うのね。

姫宮くんにも好かれてる。
衣更くんにも…。

私だってきっと…

彼のこと、好いてると思う。うん。

ｴｲﾁ「どうかな、やってくれるかな？」

『…はい。その申し出、御受けさせてください。』

ｴｲﾁ「ありがとう。」

笑った。
微笑んだ。

彼の笑みは綺麗だと思う。
けど、どうしてかしら。

その笑みには
裏が隠されてるような気がする。
黒っぽい何かが…。

それは、彼が“皇帝”だからか。
それとも別の理由があるのか。

私には、まだ良く分からない。