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side juri
「やっぱ日曜は閉まってんな〜。残念」
校門は閉ざされて鍵がかかっていた。
『あいてても、入れなかった、かな』
「ん？」
『だんさ。』
「ああ、そうだね。ちょっと厳しいかもね」
身体が思うように動かなくなっていくにつれて、数えきれないほどのことを諦めてきた大我。
またひとつその数が増えて、俺は胸がきゅっとなった。
「…景色いいとこ、行こーぜ。
ほら大我の絵の」
『ふふ、うん』
それは学校横の、ちょっとした空き地。
よく放課後、ここの陣地争いで喧嘩が起こる。
俺は争いに勝ってたタイプ、兄貴は、争わないタイプ。笑
眼下に住宅街が広がって、
左側には山、右側には駅前の繁華街。
そして真正面遠くに、海が見える。
大我はじっと、それを見つめていた。
「きれいだね？
まあ大我の絵の方がきれいだけど」
『そんなこと、ないよ 笑』
「あるよ、兄貴の絵ほんとに上手だよ」
大我は弱い力で、俺の二の腕を掴んだ。
それから困ったように笑う。
『こっから、落ちちゃいたい』
「……やめてよ」
『おちないよ、おちたいだけ。
だって、俺これからもっと、……ね』
手が動かなくなって絵が描けなくなる。
声がさらに出にくくなって、呼吸が弱くなる。
生きるために気管を切開して声を失う。
食べられなくなる。笑えなくなる。
なんにも出来なくなる。
小さな声で発せられるそれに、だんだん俺の視界は涙で滲んだ。
「やめてもう、わかった、わかったよ、
聞いてるだけでも辛いもん、大我はもっとつらいじゃんね」
大我に出来ること。
物理的な何かは、俺にも到底思いつかないほど、この病気は残酷だ。
『じゅい、ｸﾞｽｯごめんね、おにもつ、だね』
「やめて兄貴ちがうよ」
『だけど俺、こわがりだからさ。
このまましぬのは、こわくてできない。
生きたいじぶんが、いる』
その言葉で、俺は咄嗟に兄貴を抱きしめた。
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晴(プロフ) - ゆっこさん» ご愛読ありがとうございます！大変励みになります。今後もよろしくお願いします！ (2020年8月10日 12時) (
レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年8月9日 18時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - りんご。さん» 申し訳ありません。現在リクエストは停止させて頂いております。募集再開の目処も立っておりません…ご期待に添えず申し訳ないです…作品、読んでいただきありがとうございます。 (2020年5月30日 22時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご。 - リクエストしても大丈夫ですか！ (2020年5月30日 22時) (レス) id: a530807534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴 | 作成日時：2020年5月30日 17時
