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side juri
「大我、脚おろせる?」
『ん、まってね』
「いいよ、ゆっくりね」
背中を支えてやって、出来るところは自分で。
細くなった脚を、重そうに床におろす大我。
「おけ。じゃいくよー。
いち、に、さん」
ぐいっと大我を抱えて車いすへ。
姿勢を整えて、靴を履かせたりして支度は完了。
正直、2人で出かけるなんて病院以外じゃ初めてってくらいだった。
病気を発症してから、大我はどんどん引きこもりがちになっていったから。
元々俺も兄貴もインドア派ではあったけど、クラッチをついてぎこちなく歩く姿を見られてまで、外に出たいとは思わなかったんだろうと思う。
小学校までは歩いて20分ほど。
久しぶりの通学路に俺はウキウキした。
「すごい懐かしいね?
ほらあそこ、烏がたこ焼き食ってたとこ!笑」
『あったね、やばかった 笑
あ、ここで、じゅいらんごむし見てちこくしてさ(樹ダンゴムシ見て遅刻してさ)』
「あったわ!笑 可愛かったのよ!笑
夢中んなっちゃって、気づいたら20分くらい経ってたわ 笑」
蘇るたくさんの思い出。
どれもすべて、兄貴は無邪気に走り回っていた。
そりゃつらいよね、身体が動かなくなるなんてさ。
「こっから押そうか?坂しんどいでしょ」
電動車いすを自分で操作していた大我。
だけどここからは、急な上り坂になる。
いくら電動とはいえ、筋力の弱い手じゃしんどいだろうから。
『うん、おねがい』
「ほいほーい。」
後ろにまわって、ゆっくり車いすを進めた。
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晴(プロフ) - ゆっこさん» ご愛読ありがとうございます!大変励みになります。今後もよろしくお願いします! (2020年8月10日 12時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年8月9日 18時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - りんご。さん» 申し訳ありません。現在リクエストは停止させて頂いております。募集再開の目処も立っておりません…ご期待に添えず申し訳ないです…作品、読んでいただきありがとうございます。 (2020年5月30日 22時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご。 - リクエストしても大丈夫ですか! (2020年5月30日 22時) (レス) id: a530807534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴 | 作成日時:2020年5月30日 17時