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「…たいが」


そんな優しい声で、眠りから覚めた。

海面で必死に空気を吸うみたいに、呼吸が荒くなっていた。
目を開けても上手く君が見えないのは、涙粒が視界を邪魔しているから。


「大我泣かないで?どうしたの」
「っ…」


頬を撫でてくれるその手の温もりが、こんなにも尊いなんて知らなかった。
離したくなくて、奪われたくなくて。

体にまたがるようにして北斗の視界を覆えば、汗と涙の混じった水滴が君の額に落ちた。


「逝かないで」


そう、声にならない声でつぶやいた。
心の奥が酷く縮こまったみたいで、痛い。

北斗は、震える俺の髪を撫でるように触って
一瞬も視線を逸らさずに、笑うみたいに泣いていた。


「何、言ってるの
ずっと…一緒、だよ」


君の紡いでくれた切ない、嘘
それさえも愛おしくて、そして悲しかった。


「ほくっ…」


君の吐息を、唇で閉じ込める。
俺の吐いた息もまた、君の体内に吸い込まれてゆく。



「ハぁ…ぃ、して、る」
「うん…愛、…してる、から」




精一杯君を愛して、精一杯君に愛されて

微かに聞こえる秒針の音が、
もうその時は近いのだと、全身に訴えかけてくるのだった。

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(プロフ) - 名前しずくさん» あとがきまで読んでくださったんですね(^^) 2人はこれからもお互いを想いやっているはずです…! 長らくのご愛読、ありがとうございました! (2021年10月5日 19時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
名前しずく(プロフ) - 金平糖を贈る意味がとっても素敵で、お話にも合っているなあと感じました。今までお疲れ様でした。 (2021年10月4日 9時) (レス) @page44 id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年10月21日 20時

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