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Pampered by you./kryn ページ41

カーテンの隙間から漏れる日差しがやたらと不快に感じて、タオルケットを頭から被る。
寝起きは決して悪くないはずの体が、今朝はどうにもいうことを聞いてくれない。

お腹と腰の鈍痛に加えて、ずっしりと重い頭。起き上がろうという気も起こらず、目を閉じたまま覚醒したばかりの意識をふわふわと泳がせる。うぅ、めっちゃ、しんどい…。

「A、朝飯出来たよ」

タオルケットの向こう側に、人影が1つ。
開いた扉の向こうから、トーストの香りが漏れてくる。いつもなら食欲をくすぐられるそれも、今は少しも胃に響かない。

「……ん゛、ごめん、きりやん…きょう、ちょっと…」

「え、大丈夫?」

緩慢な動きで何とか起き上がろうと試みたところで、きりやんの手が額に当てられる。
そのまま、寝てろ、とでも言わんばかりに頭を軽く枕に沈められた。熱は無いな、と呟いてから、ゆっくりと頭を撫でられる。
その、幼子にするような優しい手つきが心地良くて、自然と重い瞼が閉じた。

「なんか食べられそう?」

「……おなか、へらない」

「じゃ、ゼリー買ってくるけど……桃が良いんだっけか」

「うん……」

「薬は?まだある?」

「たぶん」

「確認して、無かったら買ってくるわ」

「ん……ありがと……」

寝てな、と言葉を残し、きりやんの手が離れていく。カーテンをしっかりと閉め直してから、広い背中が部屋を後にするのを、ぼんやりと見送った。

こういう時のきりやんは、なんていうか……そう、凄く、甘い。いつもの軽口も憎まれ口も、すっかり鳴りを潜めている。

あんな風に甲斐甲斐しく世話を焼かれることに、最初こそくすぐったさとか照れくささを感じていたのに。
今となっては、私が具合が悪い時に食べたいものから常備薬の置き場所まで網羅されているのだから、慣れとは怖いものだ。

元々他人に弱みを見せることが苦手だった私が、朝起きてから夜寝るまで、弱みどころか何から何まで曝け出して、あの大きな手に甘えている。

その意味をあいつが知っているのか、いないのか、分からないけれど。ただ。
次に目を開けた時、きりやんが隣にいてくれたら良い、と思う。

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作品ジャンル:恋愛
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あいりす(プロフ) - 無理してほしくはないので! (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - あ、無視してもらっても良いですよww (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - リクです!Smさんに!「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?」をお願いします!シチュエーションは何でも良いです! (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
半熟卵(プロフ) - すいみん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!少しでもすいみん。様に楽しんで頂けたのならば幸いです☺︎ (2021年9月28日 19時) (レス) id: f0de40f6dd (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - すごい、すごすぎます。””本物””の小説を見ているようです。視点主の気持ちをうまく文に乗せていて、感情が読み手側に考えさせられる?というか、なんとういか…。=素敵です。次の更新も待ってます、無理せず頑張ってください! (2021年9月27日 21時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:半熟卵 | 作成日時:2021年2月4日 21時

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