Hungry／brk ページ25
ゆっくりと浮上する意識に合わせて、まだ重い瞼を開く。
目覚めてすぐ感じた事は3つ。
1つ。カーテンの隙間から朝日が入って来て眩しい。
2つ。猛烈にお腹が空いてる。
3つ。重い。
最初に断っておくと、体調が悪いとか霊的な何かを感じるとか、そういう意味では全く無い。シンプルに、重い。
｢……｣
原因は1つ。隣ですやすやと穏やかな寝息を立てるぶるーくの両腕にすっぽりと収まっているから。
｢……さむ、｣
お互いの素肌が同じ温度になって、まるで溶け合っている様な感覚は嫌いじゃないけれど、空腹には勝てない。
何とか彼の腕から抜け出して体を起こすと、ひやりとした空気が素肌を撫ぜる。いくら春先とは言え、下着1枚では流石に寒い。
早く着替えようと布団を剥がした時、腰に今さっき解いた腕が絡み付いた。
｢……おはよう、ぶるーく。起こした?｣
｢ぅんん……どこいくの〜、｣
まだ夢と現実の狭間にいる声色で、かつそれなりに力強く引き止められる。
｢……いま何時、｣
｢わかんない。8時は過ぎてるんじゃない?｣
｢えぇ……はやぁ……｣
寝起きが良い私とは対照的に、ぶるーくは朝を得意としない。というか、朝寝て昼起きるとかいう不健康丸出しの生活リズムの人間が朝に強い訳が無い。
がっちりと腕が回った腰に、寝転んだ彼のふわふわした髪が触れてくすぐったい。
｢もうちょっといてよ……A｣
私が寝起きの彼に弱い事を知っての行動か、否か。
少し戸惑っている内に、甘えて良しと判断されたらしい。
制止の声を上げるより先に、彼のかさついた唇が、下着のすぐ上、腰骨の辺りに吸い付いた。
｢……っ、ちょっと、ぶるーく、｣
｢いたっ｣
それは、昨夜の情事を思わせる仕草で。
慌ててぺしりと彼の頭を叩いて、ベッドから飛び出す。
｢何すんの、もう｣
｢ごめぇん、おいしそうだったから……｣
心拍数の上がった胸を抑えながら文句を言うも、頓珍漢な返事と大あくびがひとつ返ってきただけだった。
それどころか、全く反省の色を見せないぶるーくは、ベッドの上で体を起こして目を細める。
｢ねぇ、A。"もっと"って、言ってくれないの?｣
｢っ、……バカ!｣
｢えぇ、だって昨日かわいかったからぁ……あは、ごめんね?怒らないで〜A〜ね〜ごめんってば〜｣
背後から緩い声が追いかけて来るのを無視して、部屋から飛び出す。
鼓膜に走った甘い痺れが抜け切らなくて、ああもう、ほんと、心臓に悪い!
Fall-in love／kntk→←Bitter／kntk
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あいりす(プロフ) - 無理してほしくはないので！ (2023年1月28日 14時) (
レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - あ、無視してもらっても良いですよww (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - リクです！Smさんに！「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?」をお願いします！シチュエーションは何でも良いです！ (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
半熟卵(プロフ) - すいみん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます！少しでもすいみん。様に楽しんで頂けたのならば幸いです☺︎ (2021年9月28日 19時) (レス) id: f0de40f6dd (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - すごい、すごすぎます。””本物””の小説を見ているようです。視点主の気持ちをうまく文に乗せていて、感情が読み手側に考えさせられる？というか、なんとういか…。＝素敵です。次の更新も待ってます、無理せず頑張ってください！ (2021年9月27日 21時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：半熟卵 | 作成日時：2021年2月4日 21時
