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｢……お風呂、ありがと｣
｢おー、炒飯出来てるぞ｣
｢……うん｣
お風呂から上がってすぐ、炒飯の美味しそうな匂いと、いつも通りのきりやんが出迎えてくれた。
まだ少し強ばっていた体が安堵で緩むのが自分でも分かる。
きりやんはこういう時、私が話す気を起こすまでただ黙って受け入れてくれるから、ついつい頼ってしまうんだ。
面倒で嫌な幼なじみだと思う。本当に。
初めての恋愛で大失敗した時、傍に居てくれたのが彼だったからだろうか。1度弱みを見せてしまうと後は簡単で、ここでしか弱音が吐けなくなってしまった。
肝心な所で優しい幼なじみを持ったお陰で、そんな事をずるずると、もう何年も終わらせる事が出来ないでいる。
｢酒飲む?｣
｢……ん、飲む｣
さっき私が買ってきたお酒がほかほかの炒飯が乗ったお皿の横に置かれた。それ以降黙ったきりやんは、正面に座って手持ち無沙汰に携帯をいじり出す。
｢……いただきます｣
温かい炒飯は、きりやんのご飯の味がした。
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｢……A?おい、ここで寝るなよ｣
もう殆ど落ちかけていた意識が浮上する。いつの間に寝てしまったんだろう。
あの後、大して強くもないお酒の力を借りて一通りきりやんに愚痴を吐いてから、1度お風呂に入る為離席したきりやんを見送って、座卓に突っ伏した……様な気がする。
眠気で瞼すら開けられないままでいると、お風呂上がりであろうきりやんの声がした。
｢おい酔っ払い、起きろこら｣
霞がかった意識の向こうで、きりやんがこっちに近付いてくるのが分かる。良いよ、ほっといて。でも、ブランケットくらいは掛けて貰えると嬉しいかな。くらいは言いたかったが、半分寝ている頭ではむにゃむにゃと意味不明な言語を発するのが限界だった。
｢……A、マジで寝た?｣
きりやんの声が更に近付く。すぐ近くで、居心地の良い体温が動く気配がした。
｢……｣
不意に、座卓にかかっていた髪をひと房掬われる。いや、見てはいないけれど、多分その筈だ。
直接肌を触れられている訳では無いから、少しだけ擽ったい。でも、不思議と嫌な感じは少しもしなかった。
｢俺にしとけば良いのに｣
……今、なんて?
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あいりす(プロフ) - 無理してほしくはないので！ (2023年1月28日 14時) (
レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - あ、無視してもらっても良いですよww (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - リクです！Smさんに！「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?」をお願いします！シチュエーションは何でも良いです！ (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
半熟卵(プロフ) - すいみん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます！少しでもすいみん。様に楽しんで頂けたのならば幸いです☺︎ (2021年9月28日 19時) (レス) id: f0de40f6dd (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - すごい、すごすぎます。””本物””の小説を見ているようです。視点主の気持ちをうまく文に乗せていて、感情が読み手側に考えさせられる？というか、なんとういか…。＝素敵です。次の更新も待ってます、無理せず頑張ってください！ (2021年9月27日 21時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：半熟卵 | 作成日時：2021年2月4日 21時
