逃避行／brk ページ12
※デ├□イ├パロ
鮮烈で、衝撃的で。まるで交通事故みたいな始まりだった。
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｢……大丈夫ですか?｣
｢……｣
その日は酷い土砂降りだった。靴は水没、上着はびしょ濡れ。おまけにノイズみたいな雨音が四六時中響いていて、気分は最悪。
だから、そこに君がいるのを見つけた時、よっぽど酷い見間違いだと思ったんだっけ。帰路に面した目立たない所にある、小さな公園。そこに、夜の雨の中傘も持たずに佇む人影が見えたら、誰だってそう思うでしょう?
でも、君はそこにいた。
暗い公園の中、ぴくりとも動かない人影を不審に思い、警戒しながら近付いてみて、初めて気が付く。
君は、アンドロイドだった。
衣服に刻まれた特徴的なアイコンは、人間では無い証明。
何故、アンドロイドが1人でこんな所に?
君の背後2mまで近付いて、もう一度雨音に負けないよう声を張る。
｢……あの?｣
ぴくり。君の背中が震える。
｢風邪、ひきますよ……じゃないか。ええと、何かお困り事ですか?……も、違うな……｣
生憎私はアンドロイドを買った事が無いので、どう声を掛けたら良いのか分からない。頓珍漢な問い掛けしか出来ないでいる内に、初めて君が口を開いた。
たすけて。
雨音に掻き消されそうなSOSに、思わず耳を疑う。とりあえず、ただならない雰囲気の君と向き合おうと1m先まで歩み寄った。
｢え……?ごめんなさい、意味が、よく……っあ、そうだ、所有者は何処へ?｣
人間そっくりのアンドロイド。それの助けを求める声に、情を抱いたのは間違いない。お節介は昔からだ。
自分の傘を自分よりはるか高い位置にある彼の頭上へ掲げると、差は50cmまで縮まった。間も無く、ゆっくり君は振り返る。1本の傘の中、君の声は鮮明だった。
｢……優しいんですね｣
思わず、目を見開いて息を呑む。
濡れた髪。端正な面。赤いLED。
胸から腹まで赤黒く汚れた衣服。
破損した、右頬。
｢……っウソ、まさか、｣
頭が警鐘を鳴らしている。
関わってはいけない。今すぐ逃げなければいけない。助けを呼ばなければいけない。そうでなければ、いけない。
……筈なのに。
｢逃げないんですか、お姉さん｣
そう言った君の目が、悲しくて。まるで、人間みたいに痛々しい顔をするものだから。
｢一緒に逃げよう｣
口をついて出たのは、心からの本音。
鮮烈で、衝撃的で。酷く哀しい一目惚れだった。
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あいりす(プロフ) - 無理してほしくはないので！ (2023年1月28日 14時) (
レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - あ、無視してもらっても良いですよww (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - リクです！Smさんに！「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?」をお願いします！シチュエーションは何でも良いです！ (2023年1月28日 14時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
半熟卵(プロフ) - すいみん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます！少しでもすいみん。様に楽しんで頂けたのならば幸いです☺︎ (2021年9月28日 19時) (レス) id: f0de40f6dd (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - すごい、すごすぎます。””本物””の小説を見ているようです。視点主の気持ちをうまく文に乗せていて、感情が読み手側に考えさせられる？というか、なんとういか…。＝素敵です。次の更新も待ってます、無理せず頑張ってください！ (2021年9月27日 21時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：半熟卵 | 作成日時：2021年2月4日 21時
