鬼殺隊の史上最年少の天才剣士は、トリップ少女

40度目の人生 ページ45

悲鳴嶼さんと2人で赤色に染まる夕日の中を歩く。


『悲鳴嶼さん、今日はご馳走ですよ。何が好きですか？』


悲｢私は炊き込みご飯が好きだ…｣


あぁ、そうだ。


私も知っている。


前世で読んだもの。



『炊き込みご飯ですか。なら、今の季節だと椎茸を使った鳥の炊き込みご飯ですかね。』



悲｢椎茸と鳥の炊き込みご飯か…あぁ、美味しそうだ。｣


そう言って悲鳴嶼さんは大きなその手で私の頭を優しく撫でてくれる。



この手はこれからもっと大きくなって、刀を握るからきっと皮が分厚くなって、2年後にはまた違う手をしているんだろうなと思った。



『ふふ、私悲鳴嶼さんの手好きだなぁ。』



つい、ふと盛れてしまった本音。



何の計算も、思惑も、考えも何も無いそんな心からの思ったこと。



久しぶりでた気がする。



そんな一言。



悲｢そうか…Aはそのように笑えるのだな…｣



と言った悲鳴嶼さんはこちらに顔を向けながらとても優しく微笑んでいた。



『え、でも悲鳴嶼さん目がみえないのでは…』



悲｢見えなくとも分かる。きっと今Aは誰よりも優しい顔で微笑んでいるだろう？｣



そうなんですかね、と消えそうな声で呟いてそっと溢れてきた涙を悲鳴嶼さんに気づかれないように拭った。

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