死にたがりの男装少女は死んで文ストの世界へとトリップしたようです。【青の時代】

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先代の暴走……


確か《血の暴政》と言ったか。


ヨコハマ一帯を長く暴虐と恐怖に陥れたそれは、誰の記憶にもまだ新しい惨劇だった。


首領の車に赤毛の少年が悪戯書きをしたと言うだけで、街にいる赤毛の少年は皆殺しにされた。


また、敵対組織の幹部がある集合住宅に隠れている可能性が少しあるというだけで、その住宅に住む全員が貯水槽に投げ込まれた毒で死亡した。


また、ポートマフィアの悪口を云った者は死刑とするという触れを近隣一帯に出し、他者の悪口を密告した者への褒賞もつけた。


そのため、街は何年も魔女裁判のような疑心暗鬼・裏切りの都と化してしまった。


その中での死者は千人を下らない。


冤罪と分かっていて処刑されたものもいた。


逆らえば皆殺し。


それに異を唱えても皆殺し。


《夜の暴帝と、その死兵。》


それがポートマフィアの代名詞だった。


まぁなんとも酷い話だ。


ヨコハマの民はそんな先代首領の悪徳非道な暴政に何年もの間怯え、苦しんだ。


死の香りがするヨコハマ。


民の目は怯え、憎しみ、絶望、疑い、そんな鈍い光を宿していた。


そんな中、先代首領に変わって元のヨコハマを取り戻そうとしたのがこのただロリコン。


森鴎外である。

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