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中「ははは!こりゃいい!」


中原はそう言って笑う。


中「ガキとはな!泣ける人手不足じゃねえか、ポートマフィア!」


『ゲホッ…治、なんで手離してくれないの。お陰で巻き込まれただろ。はぁ、服が汚れた。』


目の前の中原なんて瞳に映していないかのように、太宰に話しかける。


太「痛いじゃあないか。僕は痛いのは嫌いなんだけど。…急に飛ばされたんだ、手を離すのを忘れていたよ。」


中原にはどうでもいいように返答していたくせに、僕には詫びを笑顔で云う。


その様子からこいつはこれを態とやったし、なんなら悪いとは思っていないとわかる。


『はぁ、とんだ災難だ。だからついて行きたくなかったんだ…取り敢えずこの手を離せ、治。さもなければ僕は直ぐに帰る。』


そう言えば太宰はぱっと手を離す。


ぶつぶつと太宰の文句を云う僕を置いて、中原は話を進める。


中「お前らに選択肢をやろう、ガキ。」


君も充分ガキじゃあないか。と言いそうになる。それを堪えて口を噤む。


中原はポケットに手を突っ込んだまま云う。


中「今死ぬか、情報を吐いて死ぬか。好きな方を選びな」


その二択いいね、心そそられる。と太宰と僕の声が揃う。


まぁ僕は何をしても死ねないのだけれど。


太「じゃ今殺せ。」


中原は一瞬黙った。


中「ふん。泣いて逃げ出すかと思ったが、意外に根性のあるガキ共だな。」


そう云う中原の言葉を聞き流していく。


…心算だった。


ガキ共?


今ガキ共と言った?


『ガキは君だろ?』


太「ガキは君も同じだ」


太宰と声が被る。


中「確かに俺と戦うヤツはみんな最初にそう云う。だがすぐその間違いに気づく。ただのガキじゃねえんだよ。お前らと違ってな。…そもそもそっちのお前は俺よりもガキだろうが。」


そんな僕を見ながら言った中原の言葉に直ぐに思い出す。


『(嗚呼、そう言えば僕の方がガキだった…)』


自分の小さな両手を見て本日何度も吐いた溜息を吐く。


そんな中でも太宰と中原の話は進んでいたみたいで、《荒覇吐》について太宰に聞いたようで、そもそもそんな言葉を初めて聞いたらしい太宰は、貯めたあと初耳と返す。


その回答の仕方に中原はにやりと笑い、太宰を蹴り上げた。


骨が軋む音がする。


太宰が痛みに呻いた。


中原を煽る太宰をよそに、僕は仕方なしに手帳を広げ、ひとつの事柄を書いて、その頁をちぎった。

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作品ジャンル:アニメ
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かないろろ(プロフ) - 高評価押しました!味の保証はしません()明日香ちゃん推しになりそう… (5月2日 0時) (レス) @page11 id: 838d77be55 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - AKuRuSuさん» 高評価ありがとうございます(笑)この高評価、ばかうまいです! (2021年6月12日 20時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
AKuRuSu(プロフ) - 高評価です!美味しくいただいてくださいね。 (2021年6月11日 21時) (レス) id: ce85f22cc6 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃねこ(プロフ) - よかったです! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 7a16543b0a (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - ちゃちゃねこさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ美味いです。 (2021年4月3日 21時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗夜 | 作成日時:2021年2月6日 23時

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