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『…は?』


森さんの言葉に一瞬思考が停止する。


無理矢理再起動させた脳を使って、手帳に家まで瞬間移動と書く。そして頁をちぎる。


一瞬にして自身の居場所は先程の路地裏ではなく、家になった。


しかし、1つ問題がある。


肩の感触が消えないのだ。


そっと後ろを振り向けば唖然としている森さん。


『(うっそだろ。着いてくんの、これ。はぁぁぁぁぁぁ!?)』


森「…これは、君の異能力かい?」


僕に視線を落とした森さん。


『…』


確かこの人頭良かったよな…多分逃げられないな。


そう思った僕は静かに頷く。


森「成程。どんな異能なのか聞いても良いかな?」


『…答えなければならない理由はなんでしょう。僕がそれに応えて何か得がありますか?』


そう言えばやっと僕の肩から手を離した森さん。


森「ふむ、確かに得はないな。」


と考える素振りを見せた隙に手帳に森鴎外をこの場からテレポートさせると書こうと万年筆と手帳を出す。


瞬間、何が起こったか分からなかった。


手帳は床へと落ち、僕が持っていたはずの万年筆が森さんの手にあり、それが僕の首に当てられている。


森「今考えているから少し待ち給え。嗚呼、君私の元で働かないかい?」


『何故。それも僕に得はないでしょう。それに、僕は働かなくてもいいほどお金がある。』



そう言えば、森さんは万年筆を首に食い込ませてくる。


森「このまま首を掻き切ってもいいんだよ。」


『ははっ、その脅しは僕には通用しませんよ。僕は生きることに興味がない。』


そう言ったと同時に目の前が赤く染まる。


『(嗚呼、首を切られたのか)』


力なく倒れる身体。


森「女児には手を出したくなかったのだが…」



そして広がる赤。


どくどくと流れ出る液体。


『(…嗚呼、死ぬ)』


もう死んでもおかしくないほど血を流した。



『あれ、死なない。』


首元はまだどくどくと血が流れている。


けど死んでいない。なんなら死ぬ気配がない。


流石にこれには僕も驚いた。


そして直ぐに考えついた。



…嗚呼、これが呪いか。



森「ふむ、なんとも不思議だ。これも君の異能力かい?」


と森さんが僕をのぞき込む。


『今のは異能力じゃあ、ありませんよ。』


森「では何故致死量の血を流しても平然としているのかね?」


『ただの呪いです。』


といった僕を森さんは凝視する。


森「呪い……」

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かないろろ(プロフ) - 高評価押しました!味の保証はしません()明日香ちゃん推しになりそう… (5月2日 0時) (レス) @page11 id: 838d77be55 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - AKuRuSuさん» 高評価ありがとうございます(笑)この高評価、ばかうまいです! (2021年6月12日 20時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
AKuRuSu(プロフ) - 高評価です!美味しくいただいてくださいね。 (2021年6月11日 21時) (レス) id: ce85f22cc6 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃねこ(プロフ) - よかったです! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 7a16543b0a (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - ちゃちゃねこさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ美味いです。 (2021年4月3日 21時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗夜 | 作成日時:2021年2月6日 23時

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