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白か黒か ページ6

翌日、宿で朝を迎えた炭治郎はまっすぐ神社へと向かった。

(昨日は話す時間もなかったけど、今日は.....。)

朝ではるはずなのに、例のごとく薄暗い村を、炭治郎は進んでいった。








「おはようございます!!」

社に向かって声を出す。おそらく中にいるだろう彼女に向けて。

しかし、返事はない。仕方なくすんすん、と鼻を動かす。

瞬間、気づいた。

「っ!!また、鬼の匂い?!」

本当にかすかにだが、鬼の匂いがすることに炭治郎は気がついた。

刀を抜き、急いで社の中へと飛び込む。襖を開け、中へ進んでいく。

鬼の匂いが、うっすらだけれどどの部屋にも染み付いていた。

その中で一番濃い匂いを探す。その匂いは、一番奥の部屋からしていた。

「っ!!」

スパンッと勢い良く襖を開ける、そして、目を見張った。

「月宮、さん?」

大きく目を見開き、炭治郎を見つめるその人は、間違いなくあの月宮Aだった。

「.......。」

ゆっくり、一歩足を進める。うっすらと外の明かりが部屋に入り込む。

それから逃げるように、Aは後ろへ引いた。

(日の光から、逃げている?)

「どうして.....。」

そう呟く炭治郎を前に、Aは自分の刀に手をかけた。

歯を食いしばり、自分を睨みつける彼女からは、確かにした。

血や、腐臭、鬼の匂い。昨日は別の鬼がいたせいで気がつかなかったけれど、彼女は確かに鬼だった。

(だけど......。)

「........。」

炭治郎は襖を閉めた。

そして、自分をじっと見つめるAの前で、炭治郎は刀を納めた。

(この人からは、誰よりも強い怒り、悲しみ、そして、痛みの匂いがする。)

そして、その鋭い嗅覚で悟った。

この人からは、禰豆子や兪史郎と同じように、鬼特有の腐臭が極めて薄い。

(誰も、食べていないんだ。)

「......月宮さん、大丈夫です。」

一歩ずつ近く。

「僕にもいるんです。妹の、禰豆子っていうんですけど、あなたと同じです。」

安心させるために、笑顔で。

「鬼だけれど、誰も傷つけたりしないんです。」

その言葉に、Aは目を見開いた。

「.......お、に。」

そう呟くと、Aは頭を抱え、震えた。

「っ、ああ、ぐっ.......。」

「つ、月宮さん?!」

慌ててAに駆け寄る。そして、触れようとした瞬間、Aの鋭い爪で切り裂かれた。

後ろに引いて、Aを見る。その爪は、もう人の形ではなかった。

「ち、がう。違う、違う。私は、私は......








人間だ!」

鬼か人か→←鬼狩りの巫女



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フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時

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