【SUPER LOVERS】俺は独りでいい

episode.41 ページ42

「か、母さん！これ！！」

「春子さんと呼べーー！！！」((ﾊﾞｺﾝｯ

「いたー！」








母さんの右ストレートが左の頬に当たる。









いや、今はそんなことより！！








「春子さん！これ、レンが失くしたって言ってた弁当！さっき棚の中から見つけたんだけど！」

「あぁ、それか」

「これ、どこにあったんだ？！」

「それはだな・・・どう言えって言われてたっけな・・・」((ﾎﾞｿｯ









少し首を傾げながら考えていた母さんが、急に大きな声を出し、突然俺の方を見る。









「言うなと言われていたが、考えるのが面倒だ。

よく聞け晴！
それは、ルイが拾ってきた！」

「ルイが？」









拾ってきた？









アイツが？








まさか、レンから取ったとか・・・









「変な想像をするな糞ガキ！
川の増水のせいで、レンがいない間に流された弁当をルイが川に飛び込み持って帰ってきたんだ」

「はぁ？！川に飛び込んでって・・・」









嘘だろ・・・









アイツがそんな事するわけ・・・









「その証拠に、カバンをよく見ろ！
いくつかシミがついているだろ！

それでもまだ、信じられないなら、ルイの体を見てみるんだな」

「体？なんで・・・？」

「雨で増水し荒れている川に飛び込んだ挙句、滝から真っ逆さまに落ちたんだ。

怪我をしていない方が可笑しいだろ」









その母さんの説明を聞きながら、俺はある日のことを思い出す。









夜中のにびしょ濡れになって、帰ってきたルイの姿。









俺に見つからない様に自分の後にずっと隠していた物。








話の流れからすると、









あれは、もしかして弁当？









「でも、なんでルイが・・・」

「お前達が二人で遊んでいるのを木の上から見ていたそうだ。

器用に見えて、アイツは本当に不器用な奴だからな
。

それと・・・」









無表情だった母さんの顔に笑みが浮かぶ。









「昨日の夜中、お前の看病をしていたのもルイだ。」









その言葉に、俺の思考は一瞬で停止した。

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