蒼い陽 Aoi_Haru (ページ1)

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突然の訪れページ1

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喜多川「YOU、ジャニーズ入らない？」

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それは突然の出来事だった

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「…私、ですか？」

あの日以来、

長い髪からおさらばしてボーイッシュな髪型

そして、ファッションなんて欠片も興味がなく、

トレーナーにスウェットで

しかも１人で牛丼屋に来ている私は、男に見えたのだろうか

「女の子なの？」

渋い顔に変わった、結構年のいっているお爺さんは、

確実にあのジャニー喜多川だった

一度、画像を見たことがあって今でもその顔を覚えている

だから、分かる

この男の人は、あのジャニーズを造った張本人だということを

「…そうですけど」

男の人に間違われたのは何度目だろうか

もう対応には慣れっこ

でも、この人だと訳が違う

目の前にいる、この人から目が離せなかった

喜多川「じゃあ、女の子でもいいからさ。ジャニーズ入らない？」

…え。何この、適当な感じ

「何言ってるんですか」

もう訳が分からない

とりあえず、元の体制に戻り、牛丼を口の中に放り込んだ

喜多川「YOUだったら、やっていけるよ。例え女の子でも」

私が相手にしないでいると、

次は隣の空いているカウンター席に座りだした

というか、そもそも、

「…何で牛丼屋なんかに居るんですか」

何十億、いや、何百億も稼ぐ人が、何故こんな庶民的な所に居るのかが不思議で仕方ない

「そこの窓ガラスからYOUの横顔見て入ったんだよ」

これは、所謂スカウトというものなのだろうか

仮に、もしそうだったとしても

「では」

そそくさと鞄と伝票を持ってその場を離れた

そのままレジでお金を払い、出ようとすると、

「これ、電話番号だから。出来るだけ早くね？」

それだけ言うと、

牛丼屋に不自然に止まっている外車へと乗り込み、

そのまま私の前から姿を消した

「………」

理解出来るはずもない

ただ牛丼を食べていただけなのに、ジャニーズに誘われるって

しかも、入所する前提で話進んでたし

「訳分からんやん…」

ほんまはこの後、本屋に寄って参考書でも買おうと想ってたけど

さすがにそんな気力も無い

というか、もう頭の中が真っ白で

気が付けば、家に帰っていた