ノスタルジア�� ページ8
しばらく沈黙が続いた。
でも不思議と居心地の悪さはなかった。
「なぁ、俺さ。ずっと考えててんけど。ドイツ行く日A来んかったやん？なんでかなぁ、俺なんかしたかなぁって。でも考えてもわからんねん。なんかしたなら言ってほしい」
沈黙を先に破ったのは拓磨だった。
目を合わせれば少しだけ、悲しそうな顔をしていた。
「…それは本当に、ごめん。別に拓磨が何かしたからってわけちゃうよ。ただ…」
言葉を詰まらす私に拓磨は急かすことなく、ゆっくりでええで？と言ってくれる。優しい声で。
「あの日、見送りに行ったらな。…勢い余って言ってしまいそうやってん」
「…何を？」
この先を言ってもいいのだろうか。でも、言ってしまえばこの気持ちに整理がつくのかもしれない。
覚悟を決め拓磨の方を見ると、視線がぶつかる。
「ずっと好きやったって」
ついに言ってしまった。数年閉じ込めておいた気持ちを。
驚く拓磨にやっぱりね、と思いながら視線を足元に向けた。
せめて何か言ってほしい。拓磨はしばらく黙っていた口をようやく開いた。
「…Aの好きなやつって、圭吾ちゃうの？」
「……は？」
突如出てきた予想もしてなかった人物の仲間に私は眉をしかめた。
「やって、俺高校の時噂で聞いてん。2人とも両思いって。やから俺は………え、なに？全部俺の勘違いなん？」
1人でブツブツと言い始める拓磨にキョトンとしていると拓磨に手を掴まれる。
「なぁまだ間に合う？今彼氏はおるん？好きなやつは？あん時言ってた好きなやつって誰？俺やったん？」
「ちょ、落ち着いて…」
「あーもうほんまに無理や。こんなん嫌や。俺ずっと、今でもAが好きやねん。A以外考えられん。他の奴になんか渡したくない」
俯く拓磨の私の手を握る力が増した。ちょっと痛いけど、拓磨がくれた言葉にそんな事どうでもよく思えた。
「ねぇ、私は今でも拓磨が好きだよ。ちょっと寄り道しちゃったけど…私も拓磨じゃないとダメみたい」
そう告げると勢いよく顔が上がった。綺麗な目だな、と思った瞬間強く抱き寄せられていた。
「……俺のもん？」
離さないぞ、とでも言うかのように強く抱き締めてくる拓磨が少しおかしくてふふっと笑う。
「うん。2人して遠回りしてたみたいだね」
そう言って背中に手を回せば、上着の上からでもゴツゴツとした身体が伝わってきた。
そっと身体を離す。
「なぁ、2人で抜け出そ？」
外は寒いのに、繋いだ拓磨の手は暖かかった。
「寄り道の話は詳しくな」
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りょー(プロフ) - 葉瑠さん» ありがとうございます！全然大丈夫ですよ🫶🏻暇なときに書いてくださると嬉しいです！ (2023年1月4日 15時) (
レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - りょーさん» はじめまして！板倉選手ですね！お時間いただくと思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです…！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - はじめまして！4番の板倉選手のリクエスト可能でしょうか、？シチュエーションはなんでもかまいません！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - マイメロディさん» お待たせしております！まずは田中選手のお話しを書いてみました！気に入ってもらえたらなによりです🙏他のリクエストもお待ちください☺️ (2023年1月4日 10時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - ひーな@キーテイちゃんさん» またよろしくお願いします☺️ (2022年12月29日 23時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉瑠 | 作成日時：2022年12月7日 18時
