ノスタルジア�� ページ7
「私の事はええから、2人の話も聞かしてや！」
無理に明るく振る舞う私に何かを察したのか、2人は話題を変えてくれた。
しばらくすると、入口近くに居た人達から歓声が聞こえた。
入口から少し離れた場所にいた私たちは何事かと視線をそちらに向ける。
背が低いのもあってか私からはよく見えなかったが、見えなくてよかったのかもしれない。
「拓磨ー！来れたんか！」
「プロや！本物や！」
突如聞こえてきた名前に心臓がドクドクと鳴り始める。
そこに拓磨が、いる。でもどんな顔をすればいい？
ドイツに行く日だって見送りには行けなかった。行かなければいけなかったのに、体が動かなかった。
あの日行ってらっしゃいも言えなかった私を、拓磨はどう思ったのだろう。
「A、帰る時は私も一緒に行くからな？無理せんでな？」
「…ありがとう、咲」
「…俺はちょっと挨拶してくるわ。2人はここにおって」
そう言って圭吾は拓磨の元へ向かった。
周りの盛り上がりがすごかったからか、良くも悪くも拓磨がこちらに来ることはなかった。
「2次会は夕方集合な！一旦解散！」
各々帰る人もいれば会場の外でまだ話し足りない人たちが集まる中、私と咲はこっそり抜け出した。
「拓磨くん2次会来るんかな？」
「来た時間も遅いし行くんやない？」
「Aは行けそう？」
「うん…とりあえずは、行く」
軽く着替えてアップにしていた髪を下ろす。
居酒屋に着くと席がぼちぼち埋まっていて、無意識なのかわざとなのか、私は拓磨とは少し遠いところに腰を下ろす。
圭吾は拓磨の隣にいた。
ここまで1度も目を合わさないようにしているのは、諦めようとしている覚悟が揺らぐからなのか。自分でもよく分からない。
お酒も入り誰がどの席かも分からなくなってきた頃、外の空気が吸いたくなって咲にだけ告げ、コソッとひとりで外に出た。
冬の空気が火照った頬には気持ちがいい。空を見上げれば少しだけ星が見える。
1度大きく息を吸い、それを吐き出す。心のモヤも吐き出すように。
「…久しぶりやな」
誰かなんて顔を見なくてもわかる。何度会いたいと思ったのだろうか。忘れたいとも思ったのだ。
ゆっくり声のする方を向けば、ずっと恋い焦がれていた人。
「…すっかり人気者やね。少し大人っぽくなったんとちゃう？」
「金髪にしたからやない？筋肉はあの頃よりはついたで」
そう言って私の隣に並ぶ。
あぁ、引き戻されるなぁなんて思ってることをきっと拓磨は気づかない。
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りょー(プロフ) - 葉瑠さん» ありがとうございます！全然大丈夫ですよ🫶🏻暇なときに書いてくださると嬉しいです！ (2023年1月4日 15時) (
レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - りょーさん» はじめまして！板倉選手ですね！お時間いただくと思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです…！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - はじめまして！4番の板倉選手のリクエスト可能でしょうか、？シチュエーションはなんでもかまいません！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - マイメロディさん» お待たせしております！まずは田中選手のお話しを書いてみました！気に入ってもらえたらなによりです🙏他のリクエストもお待ちください☺️ (2023年1月4日 10時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - ひーな@キーテイちゃんさん» またよろしくお願いします☺️ (2022年12月29日 23時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉瑠 | 作成日時：2022年12月7日 18時
