157、少女の推理披露 ページ12
会議室に張り詰めた空気が漂う。
Aは皆の視線の先に立っていた。
『心臓が張り裂けそう…!』
文章の解読が出来たとは言ったものの、確実に合っているという保証は無い。
そう考えると途端に緊張し、手の平にじわじわと汗が滲む感覚さえしてきた。
「おーい皆集まったけど」
「あ、はいっ!」
乱歩の声に肩をビクリと揺らして跳ねるように前を向く。
緊張から下を向いて居たせいで皆が集まったことに気が付かなかった。
『落ち着け私…頑張れ私…!』
皆の視線が自分を射抜く。
たじろぎそうになりながらも、足を踏ん張って前を見た。
自分の推理を披露する時間だ。
「昼頃に投げ入れられたこの紙ですが、文章の内容からして探偵社への挑戦状だということが分かりました。そしてこれは『明日』と日時が決められていることから悪戯の類では無いと思われます」
声が少し裏返りながらも、自信を持っているかのようにハッキリと言葉を口にする。
人前に立つときは自信を持ってハッキリと。
これが大切だと今までの兄の姿を見て学んだのだ。
「まず重要なのは事件が明日のいつ起こるのか。『陽が昇り切る頃』これが時刻を表していて、陽とは太陽。それが昇り切る頃と書いてあることから、日時は『明日の十二時』で間違いないと思います」
皆は真剣に話を聞いてくれている。
難しいのはここからだ。
「次に『青い瞳は血の如く赤色に染まり』と『ヨコハマに住まう一匹の小さき虎』ですが、小さき虎とは『猫』ことです」
「それはどうしてだい?」
太宰が疑問を投げかける。
「虎は猫科です。よって小さい虎イコール猫のことだと推測しました」
「なるほどねぇ」
「そして『青い瞳は血の如く赤色に染まり』という文ですが、その後に『人々を襲い出す』と書いてあることからして…」
Aが言葉を切る。
ゆっくりと、そしてハッキリと少女は口を開く。
「異能力者が関係していると思われます」
「へぇ…」
その言葉に、ジッと話を聞いていた乱歩は口元に笑みを浮かべた。
187人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺぽん(プロフ) - 。さん» 読んでくださりありがとうございます。読者様の言葉が制作するための活力になります!これからも頑張りますね💪 (7月4日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
。 - とっても面白いですね!応援してます (7月4日 1時) (レス) @page36 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます🥹そんなこと言っていただけて、私の方こそ感謝でいっぱいです!これからもこの作品をよろしくお願い致します🙇 (7月3日 8時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぺぽんさん» 私こそペぽん様に感謝しかありません!こんな素晴らしい作品を書いて頂いて.... ペぽん様のペースで良いので、更新頑張ってください(´・ω・`)これからも応援してます(*⌒▽⌒*) (7月3日 7時) (レス) @page36 id: e073f8258e (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます、とっても嬉しいです🥰これからも皆様に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしますね! (5月30日 20時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぺぽん | 作成日時:2023年2月18日 20時