57、意識を失っていた間に ページ10
「___ってことだったの」
与謝野の治療が終わり、何故かつるつるテカテカになって戻ってきた兄は、完全に怪我が治っていた。
そして事のあらましを説明すると国木田は黙ってしまった。
もしかして、こんな無茶をしたことを怒っているのだろうか。
下を向いているせいで表情が見えない。
「たった一人の家族…か」
小さく呟いた国木田の言葉は誰の耳にも届くことなく、パトカーのサイレンの音に掻き消された。
「…は、はあ!?」
直哉を警察に引き渡し、一件落着した社員一同は探偵社に戻ってきていた。
そこで自分が意識を失っていた間の話を聞いたのだが…
「わ、わわ私が直哉に乗っ取られていた!?」
「そうそう、くるくる回りながら楽しそうに笑ってたよ」
追加で与謝野から信じられない真実を聞かされ、Aの顔からサァッと血の気が引いていく。
「最悪だ……私の体を……」
ヘナヘナとAは座り込む。
ふと、国木田は思い出したように口を開いた。
「そういえば太宰、何故俺が行った場所が分かったんだ」
「あぁ、それは___」
「それは、僕のおかげに決まってるじゃないか!」
その時、探偵社の扉が開け放たれ乱歩が入ってきた。
「ただいま戻りましたー!」
「任務完了」
続けて賢治と鏡花も入ってくる。
軽く手を掲げて太宰は聞く。
「お疲れ様、”横谷の弟くん“は捕まったのかい?」
「はい、ちゃんと警察に引き渡しましたよ!」
「「横谷の…弟?」」
国木田とAの声が重なる。
彼には弟がいたのか?引き渡したとはなんだ。
はてなを浮かべる二人に、乱歩はポッキーを指揮棒のように振りながら言った。
「今回の《横浜男性自 殺事件》と《A誘拐》、この二つは繋がっていたのさ」
一同は乱歩の説明にジッと耳を傾けた。
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時