91、無意識に出た言葉の意味は ページ44
真剣な表情で固まっている太宰を見て、Aが口を開いた。
「…まぁ、世界には自分と似てる人が三人居るって言いますし?」
私もこの前、お兄ちゃんにそっくりな人に会いましたよ!と興奮気味に話す少女。
その様子がなんだか可愛らしくて、太宰はクスリと笑う。
「何で笑うんですか!」
「いや、可愛いなと思って」
「ナンパには慣れてるので効きませんよー」
ジトーっと太宰を見るAに、太宰は「それは残念」と返す。
自分より前を歩いているAの後ろ姿。
それをぼんやり見ていると、ふと脳内に"ある言葉"が浮かんできた。
「黒い天使…」
呟いてからハッとする。
なんだ、自分は今なんと言った?
それはどこで知った言葉だ?
「太宰さんもう少し早く歩いてくださいよー」
少し遠くから少女が呼ぶ。
無意識に口から出た言葉に疑問を覚えながらも歩き出す。
「…ところでAちゃん」
「はい?」
「ずっと思っていたのだけど、さっきから同じ道をずっと歩いていることには気づいているかい?」
「…え"」
「Aちゃんって…方向音痴なんだね」
「それ言わないでぇぇぇ!」
結局、探偵社に帰った頃には日が暮れていて、二人揃って国木田に怒られた。
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時