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73、告げられる真実 ページ26

「お兄ちゃん!」




声のした方を向くとAがいた。
肩が大きく上下し、息も荒い。
その姿から、急いで走ってきたのが分かった。




「探したんだよ?」




途中で怖い目にもあったし…
その呟きは、国木田には聞こえなかった。




「急に居なくなって悪かった。あの…そのだな、伝えたいことっていうのは…」




何から話せばいいのか分からず、柄にもなく焦ってしまう。




「お兄ちゃん」




鈴のような声が、落ち着いた微笑みが、国木田を冷静にさせていく。
目を合わせるのが気まずくて、広い海を見つめた。




「大丈夫、心の準備が出来るまで待つよ」




その一言に、ポンと背中を押されるような感覚になった。
眩しいほどの夕焼けに染まる海を見ながら、国木田がゆっくり口を開く。




「…俺が、お兄ちゃんと呼ばれる筋合いはないんだ」




「…?」




きょとんと首を傾げるA。
まだ意味を理解していないようだ。
安心と不安が混ざり合った息を一つ吐く。




「どういうこと?」




意味が分からず問う少女。
その瞳は、分からないことを親に尋ねる子供のように純粋で。
自分を見上げる美しい瞳に胸がギュッと締め付けられる。




『今まで黙っていた俺が悪い。いつかは分かること。だからここで、今、伝えるべきだ』




伝える心の準備は出来た。




国木田はAの方へ体を向け、目を見て、真剣な眼差しで告げる。








「俺は、お前の本当の兄ではない」




告げられた真実は、あまりにも衝撃的だった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 国木田独歩   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時

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