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68、三人のうちの一人 ページ21

「……え」




瞬間、体が固まる。
ゆっくりと振り返った兄…
否、男の人は、




「えっと、さっきから誰のことを呼んでいるのでしょう…?」




国木田独歩に"よく似た"男性だった。




「あぁ…その…あのぉ」




全身の熱が顔に集まるのが分かる。
自分の顔は今、ゆでタコのように真っ赤だろう。




この年になって人違いをするなんて思いもしなかったし恥ずかしいが、
それよりも何よりも、ここまで似ている人が居ることに驚きを隠せない。




世界には似ている人が三人居る、とはこのことか。
Aはこの瞬間に身をもって実感した。
そして




「誠に申し訳ございません!人違いでありました!!」




思いっきり土下座した。
地面に頭をつけて。




「え!?いや土下座までしなくてもいいですよ、僕は大丈夫ですから」




そう言うと男性は路地を進んで見えなくなった。
温厚な人で良かった、と思いながら顔をあげる。




そして再び固まった。
何故か、理由は簡単だ。








「ここ、どこ?」




迷路のように道が入り込む横浜の路地裏。
国木田を追いかけたい一心で足を踏み入れた故に、ここまでの道順を覚えている訳がなかった。
そう、方向音痴なのである。




「また迷ったぁぁぁぁ」




横浜に来てから二度目の迷子に、少女の悲痛な声が暗い路地に響いた。




「…なんだぁ?」




そして少女の声を聞いた一人の男もまた、動き出す。

69、迷い子に恐怖の救いを→←67、人探し



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 国木田独歩   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時

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