63、太宰、全力謝罪 ページ16
朝ごはんを食べ終わり探偵社までの道のりを太宰、敦と共に歩く。
「太宰さんちょっと言いたいことがあるんですけど」
「なんだい?」
振り向いた太宰に、至って冷静な声で告げる。
「私の実家、火事で燃えたんですよ。火事で」
「…あ」
「ちょっと今朝の起こし方は…無いと思います」
「ごめん!それはほんと、ごめん!!わざとではないのだよ!」
慌ててごめんを連呼してくる彼が面白くて、ふっと笑みをもらす。
「まぁ、起きちゃったものは仕方ないですけどね。後ろ向きになろうとも思いません」
「…Aちゃんって…強いんだね」
敦の同情したような表情を見て気まずくなり、目をそらす。
「強くなんてないよ。私はただ、お兄ちゃんが居てくれるから前を向けるの」
自分に残された、ただ一人の家族。
絶対に失いたくない、そんな気持ちでいっぱいなのだ。
この気持ちが何故心の奥底から湧き上がってくるのかは分からない。
家族だから、兄弟だから当たり前だと言ってしまえばそれまでだけど。
心にモヤがかかったような感覚は拭いきれないままだった。
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時