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ヴィル先輩がオバブロした。
確かにいつかはオバブロしそうとは思っていたけど。
まあ、確かに?
ここのところ先輩は、辛そうに思い詰めていたからなあ。
でも先輩の彼女でもある私はもっと他の事が出来るんじゃなかったかなあって思っちゃう。
オバブロが終わってもボーとしてたし、、、。
「ねえ、先輩」
私の横を歩いてる先輩に声をかけた。
ヴィル「、、、何かしら?」
「ここの所おかしくないです?」
私がそう言うとビクっとした。
ヴィル「な、なにもないわよ!?」
「いやいやいや。おかしいですって」
私はヴィル先輩の目を見た。
あ、そらした。
「ヴィル先輩。私はヴィル先輩の彼女です」
ヴィル「そ、それがどうしたのよ、、、」
「もっと頼って下さい」
私が言うと先輩は目を見開いた。
そんな先輩にクスッと笑って私は言う。
「今回の事で私わかりました。無力だなあって。」
ヴィル「はあ?何言って、、、」
「だってっっ!私は、、先輩の辛さを分かってなかった!」
ずっとずっと感じてた。
もう少し何か出来ることがあったんじゃないかって。
先輩は辛かったのに私は何も出来なくて、オバブロした。
「私は、もう!先輩に辛い思いをして欲しくない!!先輩は綺麗だ!!私の一番なの!!先輩の彼女なの!!
もっと頼って!女の私にいっても意味ないけど、でも、、、。
辛いなら言ってよ!苦しいなら言って、、!」
涙を流しながら私は先輩を見る。
先輩は辛そうな、苦しいそうな顔で見ている。
本当、私馬鹿だ。
こんな事を言っても困らせるだけだし。
辛いなあって。
ヴィル「アタシは、、、」
先輩が震えながら声を出した。
「はい」
ヴィル「貴方は怖くないの?こんな、アタシを、、、」
「何故?」
先輩が言ってきてビックリした。
まあでも何故だか分かるけど。
ヴィル「アタシのユニーク魔法は手で触れた物に呪いをかける。
怖くないの?」
ああ、やっぱり。
先輩は優しい。
でもね。先輩。私一度も先輩が怖いって思った事ないですよ。
「私は怖くないですよ。先輩は優しくて綺麗。
それに、もし先輩が私に呪いをかけても許しちゃいます」
貴方に呪いを掛けられるなら別に良いですよ?
私は先輩の頬に自分の手を触れさせた。
泣いている先輩の涙をとって笑って言う。
「私は先輩の事一ミリも怖くありませんよ」
※続く
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作者名:雪月花 | 作成日時:2020年9月26日 21時