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2人が完全に部屋から出て、フィリックスさんが気を遣って透過魔法で姿を隠してくださってから、ふう、とヒョンジン君が息を吐いた。
HJ｢なんかごめんね、別に俺そこまで大した話するわけじゃないんだけど｣
『2人にならないと出来ない話な時点で、私からしたら大事な話だよ。それで、話したいことって？』
吸血鬼になったヒョンジン君は、少し背が伸びた事と牙がついたことくらいで、本当に外見の変化はなかった。だからこそ、身構えてはいるけれど怖がらずに話せているのかもしれない。
HJ｢俺ね、死んですぐはまだ身体の近くに魂あったんだよ｣
『……何が言いたいの？』
HJ｢分かんない？俺が死んですぐ、Aちゃん会いに来てくれたじゃん｣
『あ………………』
急に出された話に混乱して気づけなかった。
つまりヒョンジン君は、
HJ｢いやあ、嬉しかったなああれ。何で俺死んでるんだろって思ったもん、死んでる場合じゃないってこんなの！って俺の身体の周りでウロウロしてた｣
『…………近くにいるなんて、聞いてなかった…………』
完全にあの……キスというかなんというか、を見てたってこと……ですよね……
恥ずかしさで冗談抜きで死にそうになったし、なるほど確かにこの話はあの2人には聞かせたくなかった。ありがとうヒョンジン君。本当にありがとう。
HJ｢んで。仮にもまだまだAちゃんの事好きなんでちゃんと聞いときたいんですけど〜
あのキス、どういう意味だったの？｣
目の前のヒョンジン君は、穏やかな笑顔だけどどこかソワソワしているような、いっそ諦めきっているから穏やかなのか。やっぱり読めない表情をしていて。
私もあまりよく考えずにしたことだから正直深い意味もないような気はしたけれど、でも理由なくキスすることも絶対にないし。
『あれは……』
けれど思い当たる理由なんて、
『餞だよ。餞のキス』
これ以外無かった。
HJ｢餞、か。
うん、Aちゃんっぽいね。けど俺死んだのに餞なんだ？｣
『あの後から聞いた話ではあるけど、ヒョンジン君が魔界に来るのは決定してたから……新しい時間への餞にはなるかなって』
HJ｢後付けでいいように纏めたじゃん、まあでも……俺は好きだよ｣
好き。
愛してる。
ヒョンジン君は、生きてたって死んでたって、その言葉をずっと私に向けて言ってくれる。
返ってくることがないって分かっているのに。
『分かんないなあ、』
思わず、呟いた。
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いちごだいふくlike(プロフ) - ｼﾞﾆｼﾞﾆさん» コメントありがとうございます！いまさっき一気にどどんと更新してみたのでよければぜひご覧下さい！ (2021年4月30日 2時) (
レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
ｼﾞﾆｼﾞﾆ - END2めっちゃ待ってましたあ！！これからも更新頑張ってください(^^♪ (2021年4月23日 0時) (レス) id: cc13df998f (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - れんれんりうりうさん» コメントありがとうございます！！更新がんばりますのでこちらもぜひぜひお待ちください！ (2021年4月17日 6時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
れんれんりうりう(プロフ) - わー！！END2、待ってました(；▽；) (2021年4月15日 0時) (レス) id: 5c828b7258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすてい | 作成日時：2021年4月14日 18時
