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趣味もやるべき事も特にない私は、学生が喜ぶ三連休で遠方へ家の用事を手伝いに来た。
個人的には飛行機に乗るリノさんとジソンさんを見てみたかったんだけどな、と一人でぼんやりと考え事をしていると車が止まる。
｢は〜遠かったね、Aは何年ぶりにこのお家来るっけ？｣
『……おばあちゃんのお葬式はこっちでやったから、おばあちゃんが亡くなる一年前くらいじゃないかな』
｢だったらもう三、四年は来てないのね。とりあえず移動で疲れただろうし休憩しながらいろいろ見てみて｣
欲しいものがあったら持って帰っていいよ〜という母親の声に了解の意を示してから、本当に久しぶりにおばあちゃんの家に足を踏み入れる。
結婚して数年で夫___私の祖父にあたる人___を亡くしたおばあちゃんは、そこから亡くなるまでの数十年をずっと独身で過ごし、奇跡的にお腹に宿っていた母の事も一人で育て上げた。
元々ひとり旅が好きな性格で、母が産まれるまではいろんな土地を転々としていて、最終的に今の私の家から遠く離れたこの山国の空気を気に入って、ここに住んでいた……らしい。
『……懐かしい』
今でこそ思う。私はおばあちゃんに沢山支えてもらっていたのだと。
家の距離があるから、滞在するとなると最低でも一週間。最長で一ヶ月は居た気がする。その間に私はおばあちゃんから、言葉にするのは難しいけれど、沢山の素敵な思い出をもらった。
感傷に浸りながらゆっくりと家を見て回り、おばあちゃんの自室のドアを開ける。一人暮らしには十分に大きい二階建てのこのお家の右端、一番奥におばあちゃんの自室がある。
懐かしい、ここでいろんなお話を聞いたなあ、と確か昔私用の絵本をしまっていてくれた引き出しを開ける。
『……？何これ、』
入っていたのは、絵本なんかじゃなかった。
ひとつの仮面。
そして小さなメモ。
それだけだった。
真っ白で目と鼻の穴だけ空いた、シンプルな仮面。
そこに紫色の小さな宝石が控えめに散りばめられているだけで、派手な印象はない。
何の仮面かの説明だと思って手に取ったメモには、
『�� Aへ。
持っておいたら何か良いことがあるかもしれない。何も無いかもしれないけれど、その時はごめんね。 �瓠�
としか書かれていなかった。
仮面に、私宛のメッセージ。
『…………良いこと、か』
何にせよこれで二人へのお土産話が出来たな、なんて気楽に考えながら、私は丁寧に鞄の中に仮面とメモをしまった。
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いちごだいふくlike(プロフ) - はじめましてさん» はじめまして！コメントありがとうございます！どのお話も読んでいただけたようでこちらこそ本当にありがとうございます！ぜひたまにでも思い出してもらえたらと思います、！ (2022年6月27日 7時) (
レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
はじめまして - 今朝作品をみつけて一気にはじめから最後まで読み切りました。いろんなENDや続編とても面白かったです。 (2022年6月26日 13時) (レス) @page48 id: dc356df402 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 錆猫さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、最後までお付き合いくださりありがとうございました！！他作品も頑張っていきます……！！！ (2022年4月4日 18時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉なんか、もう、ほんとに最高です…！楽しい時間をありがとうございます！ほかのお話も楽しみしてます！！ (2022年4月4日 14時) (レス) @page48 id: 5bb6e7e4d5 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 藤さん» コメントありがとうございます！いつもこうしてコメントを下さり、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。これからも末永くお付き合い頂けたら幸いです🤍 (2022年4月4日 4時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすてい | 作成日時：2021年12月1日 0時
