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もう誰も失いたくない。
本人も意図せず零れた言葉だったようで、テヒョン君はその発言を慌てて取り消す様な事も言わず、一瞬黙り込んでから｢とにかく、心配なんだよ｣と呟いた。
『……それは、ありがとう』
HJ｢Aちゃん、リノヒョンもう着くみたい。メッセ来てない？｣
『あ、うん、今見てみる……』
スマホを確認すれば、確かにリノさんからのメッセージが2件と、ヒョンジン君からのメッセージを知らせる通知が表示される。
リノヒョンが来るまでは俺もいるつもりだけど、大丈夫?なんかテヒョンこのままAちゃんの家まで行きそうだけど
自分の体調の変化に気づけなかったとはいえ、流石にそれが分からないほど鈍感ではない。テヒョン君がこの流れで私の家まで訪ねようとしているのは分かっている、けれど。
果たしてどうしたものか、とりあえず今思いついている案はリノさんに口裏を合わせてもらって早急に連れて帰ってもらうということしかない。
けれど。
今のテヒョン君を一人にして、いいの？
�� もう誰も失いたくない ��
あと少しで、まだ私の知らないテヒョン君を知れる。
それが何かは分からないけど、本当に大切なことのように思えてならない。
『……テヒョン君』
一人悩んだ末に、
『気持ちは嬉しいよ、ありがとう。でも今は風邪をうつしたくないし、リノさんもいきなり霊媒師であるテヒョン君を見れば過剰に警戒してしまうから……今日じゃなくて、また日を改めて、話そう』
HJ｢Aちゃん、｣
『でもその時は、リノさんとジソンさんと、ヒョンジン君も一緒にいる環境がいい。
ごめんね、でも私がテヒョン君と二人で会うことは、学校でしか出来ない』
TH｢俺が霊媒師だから？｣
また、呟くようにテヒョン君の口から出た言葉には、どこか覚えがあった。
TH｢会えないのは、俺が霊媒師で、Aちゃんが吸血鬼と契約しているから？｣
HJ｢…………｣
正直、理由としてはそこが大きい。
でも、そう答えるべきじゃないことは、もう分かってる。
『それもあるよ。でも違う』
『今のテヒョン君と私は、クラスメイトっていう関係だと思ってる。それ以上でもそれ以下でもないから、会わない』
まだ私たちの過ごした時間はあまりにも浅いから。
そして私たちは、友達以上にはなり得ないから。
キッパリと言い切った私の言葉が予想外だったのか、いつも澄んでいたテヒョン君の瞳が揺れる。
この場の沈黙を、一台の車が終わらせた。
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いちごだいふくlike(プロフ) - はじめましてさん» はじめまして！コメントありがとうございます！どのお話も読んでいただけたようでこちらこそ本当にありがとうございます！ぜひたまにでも思い出してもらえたらと思います、！ (2022年6月27日 7時) (
レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
はじめまして - 今朝作品をみつけて一気にはじめから最後まで読み切りました。いろんなENDや続編とても面白かったです。 (2022年6月26日 13時) (レス) @page48 id: dc356df402 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 錆猫さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、最後までお付き合いくださりありがとうございました！！他作品も頑張っていきます……！！！ (2022年4月4日 18時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉なんか、もう、ほんとに最高です…！楽しい時間をありがとうございます！ほかのお話も楽しみしてます！！ (2022年4月4日 14時) (レス) @page48 id: 5bb6e7e4d5 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 藤さん» コメントありがとうございます！いつもこうしてコメントを下さり、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。これからも末永くお付き合い頂けたら幸いです🤍 (2022年4月4日 4時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすてい | 作成日時：2021年12月1日 0時
