夜の歌�� ページ9
再びAの歌が響き始めると幽霊達もその音楽に身を委ねて踊りを再開した
一方ジャックはと言うと、混ぜてと言った割にその場から1歩も動かず、Aの方を見てただその笑みを深めるばかりであった
曲が終わり、その美しい響きも夜の闇に溶けた後、ジャックは1人、拍手をした
ジャ「期待以上でびっくりしちゃった」
「ありがとうございます…。けど、踊るんじゃなかったんですか？」
ジャ「んー、最初は踊ろうって思ってたけど気が変わった。キミの歌をもっと聞きたくなっちゃった」
思わぬ言葉に顔が赤くなっていく感覚がした
こんな感覚はもう何十年も経験していなくて、それは、血の通わないはずの身体に熱がこもったかのように、温かく酷く心地が良かった
ジャ「そうだ、僕のために子守唄を歌ってよ！ねぇいいでしょ？」
自分の歌を褒めてくれた彼の為に歌を歌える事はとても光栄な事だろうし、それに、何より彼の為だけに歌う事がなんだかとても嬉しい
「もちろん、喜んで」
いつの間にか他の幽霊達は姿を消していた
2人は月が良く見える窓枠に徐に座り、暫く無言で大きく輝く月を見ていた
子守唄はいつ歌えばいいのか、そんな事を思っていると
ジャ「ねぇ、A」
と、ジャックが口火を切った
ジャ「…キミ達、いや…Aに触れる事はできないの？」
「え…？」
Aと言い直したのは何故か、しかし、ジャックの手がいつの間にか自分の手に重なっている事に気付くと、もうそれどころではなくなってしまった
けれど、その2つの手は決し交わることは無く、触っているのにその感触は共有できない
「…何でそんなこと聞くんですか？」
ジャ「…何でだろうねぇ…」
「さっきからそればっかりですね」
そう言うとジャックは黙ってしまった
まずい、と思ってももう後の祭り。発してしまった言葉は取り消すことは出来ない
謝ろうと口を開いた時、ジャックがそれを遮るように
ジャ「もしも、触れることが出来たら嬉しいなって思って」
と、静かに言った
いつもの彼からは想像もできないくらい、静かな声だった
ジャ「無機物は触れたり掴めるたりするんだろ？だったら、人も触れるのかなって思ったんだけど…」
彼はそこで言葉を切った。その先は2人とも分かりきっている事で、今現にジャックはAに触れる事は叶わない
彼女の手に自分の手を重ねているはずなのに、その手は窓枠の冷えきった温度しか伝えてこないのだから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だきまくら - あいむさん» ですね...なんというか噂的にも...ね... 手下たちにからかわれて、Mr.にも絡まれてあのわちゃわちゃしたリクが好き 免許皆伝して、スキャちゃんが離れていくと考えると涙が... 守りたいあの笑顔、本当にその通りです！ (2018年9月18日 22時) (
レス) id: d9c9a58c34 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - だきまくらさん» 演出凄いですよね！嬉しいけどどこか複雑な感情になってしまいますが...笑 相変わらずのお茶目さで場を和ませて貰いたいです。。守りたいあの笑顔 (2018年9月17日 13時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
だきまくら - あいむさん» 今回、初期のような演出で沢山の手下さんたちと会えるという！！ スキャちゃん、動画で見ました！めっちゃくちゃ美しかったです！けど、お茶目な一面は変わってなくて安心しました笑 頑張りますーーー！！！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: d9c9a58c34 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - だきまくらさん» 始まりましたね！！昨日お会いしてきたんですが、もう、最高でした...泣 スキャちゃんやばいです妖艶です。← 頑張ってください〜〜〜！！ (2018年9月12日 15時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
だきまくら - あいむさん» Dハロ始まりましたねぇ！ 手下さんたちも美しさが増していて、スキャちゃんも...！ どうにかして行きたいんですよ笑 今、色々必死です笑 (2018年9月11日 1時) (レス) id: d9c9a58c34 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいむ | 作成日時：2018年5月23日 23時
