魅入るIV ページ18
目の前には美しい海が広がっていた。不思議と息も出来る。太陽の光がいくつもの道となって、色とりどりの珊瑚礁や魚をキラキラと照らしていた。先程まで冷たく感じていた水の温度は、もう肌に馴染んで温かい。
繋がれた手の先には、蛸足の彼。しかし今は先程まではあった人間の足は無く、下半身全体が蛸そのものになっていた。白銀の真珠のような髪が波に揺られてふわりと漂う姿は、この世のものとは思えないほどの美しさであった。人間は人魚に魅了されてしまう。海の美しさなど霞んでしまうほどの艶やかさに、言葉を失う。
すると、不意にクイと手を引かれた。体の自由がきかず、加えて重力なんてものは存在しない海の中では簡単に引っ張られた方向へと引き寄せられていく。ついには、すっぽりと彼の腕の中に体が収まってしまった。
「俺の名はエイトフットのジョー。」
"お前を攫いに来た"
彼は確かにそう言った。へ、と間抜けな声が出てしまう。しかし、自分を見る金色の目は、冗談でも何でもなくて。痛いほどに真っ直ぐに注がれる視線は、頬を赤く染めさせる。
「ちょ、ちょっと！ 水なんてひどいよ！！ 湿気っちゃうでしょ！」
バシャンッと大きな水飛沫を立てたかと思うと、海は綺麗さっぱり消えて、元の自分の部屋へと帰ってきていた。チッと、大きな舌打ちが聞こえたかと思うと、紫の炎がチラチラと辺りを照らし出していた。
「邪魔するな。」
「それはこっちのセリフなんだけど？ 彼女は僕の
「は、
「誰がそんなこと許すと思う？」
「お前の許しなんざいらねぇよ。」
炎に照らされた二人の表情は険しい。互いに一触即発。Aはすっかり置いてけぼりを食らっていた。家に帰ってきてから、まだ一時間も経っていない。そんな中で目まぐるしいほどに起きる非日常は、日常を生きる彼女には処理の仕様がなかった。とにかく、この二人は何かを争っていることしか分からない。話に入ることも、動くこともできず、彼女はぽつんと立っている他なかった。
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あいむ(プロフ) - ユウウさん» 返信ありがとうございます。かしこまりました！ 続編での更新になりますので少々お待ちくださいませ！！ (2022年12月12日 22時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - あいむさん» 言い忘れていたのですが、現パロというより学パロでお願いします。重要なことなのに言い忘れてすみません。関係性は恋人で全体的に甘い雰囲気でお願いします！ (2022年12月12日 7時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ありがとうございます！ リクエスト承りました！ 現パロという他になにか、こうしてほしいなどのご要望はありますか？？ （関係性など） (2022年12月10日 22時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - 初コメです！毎回楽しみに見させていただいてます。リクエスト失礼します。アップルポイズンの現パロををお願いします！これからも応援させていただきます！ (2022年12月10日 19時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - トワイライトさん» 今年のハロウィンのパレードはまた沼に引きずり込ませにきてますよね…ひと時の秋、楽しんでいきましょう！ リクエストありがとうございました！ (2022年10月2日 12時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2020年2月4日 23時
