3度目の正直

コスプレ披露会！？ ページ38

「いきなり俺ん家で飲むとか言うから何事かと思いきや……。」

「だーって、居酒屋とかでAコスプレさせる訳にいかないじゃん！杉田君の家遠いし。」

「神谷さんの家でいいじゃないですか！」

「え？俺ん家無理。」

「何その理不尽！」


小野さんと神谷さんがビール片手に言い争いをしているのを私は冷や汗たらたらで聞いていた。


「…あの。」

「「ん？？」」

「私、やっぱり帰ります。別にコスプレも皆さんの前でしたい訳ではないですし…。
やっぱり人様のお家にお邪魔してまでコスプレとかちょっと…いやかなり失礼ですし。意味不明だし。
家に帰って１人で楽しみますから…。」


「コスプレはするんだwww」

私の言葉に鋭く突っ込みを入れて笑う神谷さん。


「いや、俺も見たくない訳じゃないんだよ！？
Aちゃんのコスプレ！」

意味不明なフォローを入れてくれる小野さん。


「いいから着替えてこいよ。」

こんな時だけ無駄にいい顔、いい声で呟く杉田さん。


「これから中村君も来るし、ドッキリでもしかける？www」

「………は？」

神谷さんの発言に呆気にとられる私。

……今聞き捨てならない言葉が聞こえた。


「…中村さん、来るんですか？」

「え？うん。だってこの間のメンバーって言ったでしょ？
けど、Aのコスプレ披露会とは言ってないんだよねーww」

「いやいやいや！余計無理ですってー！！」


いたずらっ子みたいな笑みを浮かべていた神谷さんが私の叫び声にビクッと肩を震わせた。


「どうしたの？喧嘩でもした？」

「この間の飲み会の中村さんの冷めた顔見てないんですかー！？」

「中村君いつもあんな感じよねー。」

「ねー。けどそこがいいのよねー。」

「そこっ！そんな女子会トークはいりません！」

小野さんと杉田さんの突然の漫才に思わず突っ込みを入れる。


「Aちゃんの俺の扱いがどんどん雑に……グスッ。」

「私がコスプレに興味あるって言ったときの中村さんのあの冷めきった顔！！
ぜっっったい！軽蔑されますー！！」

「無視！？」

小野さんの泣き真似も無視して神谷さんにすがり付いた。


「そうかなぁー？案外大丈夫だと思うよ？ってかもう呼んじゃったし！仕事あるから９時位になるって！」

「ダメだってぇぇぇ！！」

私の青い顔など目にも入っていないように神谷さんが鼻歌を歌う。

……これは絶対いい玩具だと思われてる…。


こうなったら………





「ちくしょう！ビール、ビールをください！！！」

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