検索窓
今日:8 hit、昨日:4 hit、合計:38,316 hit

後悔先に立たず ページ35

中村さんと二人でご飯を食べたあの日以降、可愛がってくれる先輩達が何かと連れ出してくれるようになった。

神谷さんや小野さん。事情を聞いたのか、杉田さんや安元さんまで、現場でも私が1人にならないように気を使ってくれているのがわかる。

それはやっぱり申し訳なくて、けど嬉しくて。

そうなるとやっぱり1人は寂しくて。

今はその優しさに甘えさせてもらっている。



けど


優しくしてもらって一番嬉しかったはずの人に、今は避けられている気がしてならない。


あの日

私はまた彼にしてはいけない事をしてしまったのだろうか。


初めて会った日の事を思い出して胸が苦しくなる。



「…中村さん?」

「なに?」

「あの…中村さんはコスプレとか興味ないんですか?」

「いや、別に。」

「…そうですか。」


話しかければちゃんと答えてくれる。

避けられてるっていうのも私の思い込みかもしれない。



けど目を見て話してくれない。

中村さんからは話しかけてくれない。


それだけの理由。


でもそれだけでも充分に思えた。


「………。」

「…お前さ。」

「!? は、はい!?」


突然話しかけられて声が上擦る。

中村さんから話しかけてもらった事も久しぶりな気がする。


「不知火舞知ってんの?」

「……へ?いえ…。」

「…じゃあなんで杉田の話に乗ったの?」

「え…コスプレって可愛くないですか?したことないですけど。」

「……どんなの想像してる訳?」

「えー…と。………いらっしゃいませご主人様!……的な?」

「………。」


呆れたような中村さんの顔がこっちを向いている。

この雰囲気をどうにかして明るい方向に持っていきたかっただけなのに失敗した……!

……結構勇気出したんだけど。


「せめて笑ってくれませんかー!?」


私はこれ以上気まずくなるのが嫌で、わざと冗談ぽくそう言うと、また顔を逸らされる。


そしてまた少し胸がきゅっと痛んだ。


「…後で調べてみろよ。」

顔を逸らされたまま、吐き捨てるように言われる。


「へ?その、不知火舞をですか?」

「ああ。」

「………。」


私は急に不安に襲われる。

久しぶりに話しかけてもらった内容がそれだっただけに、私は何かとてつもない失敗をしてしまったんじゃないだろうかと、未だにはしゃいでいる杉田さんを見て冷や汗を流した。

不敵→←飲み会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:中村悠一 , 声優
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いくは(プロフ) - 妄想腐女子さん» コメント嬉しいですー!ありがとうございます!最近滞りがちですが頑張ります(*´ω`*) (2018年6月22日 9時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
妄想腐女子 - 面白すぎます!!!声優LOVEにはとっておきですね!!更新、頑張ってください!! (2018年6月22日 0時) (レス) id: a8cadbb43c (このIDを非表示/違反報告)
いくは(プロフ) - 花陽さんありがとうございますー!初コメ超嬉しいです(*´∀`)頑張ります! (2018年5月26日 7時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新頑張ってくださいね!応援してます! (2018年5月26日 0時) (レス) id: f5d3d09cf4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いくは | 作成日時:2018年5月9日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。