異変 ページ25
「あ、あ、あーー。」
今日は一週間ぶりの仕事。
ずっとバイト漬けだったから少し緊張しながら声の調子を整える。
「おはようございまーす!」
事務所の扉を開けて挨拶をすると社員さん達が口々に挨拶を返してくれる。
そのまま別室に行くための扉に手をかけて、一度息を整えてからもう一枚の扉を開けた。
「おはようございまーす!」
中に入ると男の人が二人、女の人が三人、別れて座っていた。
「……おう。おはよう。」
「あ、A。おはよー!久しぶり。」
私に背中を向けていた男性達がこちらを振り向くと、その二人は中村さんと安元さんだった。
「あれっ!中村さん!安元さん!お久しぶりです!」
声優の仕事が本格的になってくるとレッスンの日数も減り、スタジオに直行する日も多いので人気が出るほど事務所で会う機会は減っていく。
二人とも色々仕事してるから最近は事務所で会う機会はめっきり減っていた。
予想外の二人に会えて私は自然とテンションが上がり駆け寄った。
「最近A頑張ってるねー。スタッフロールで名前見ることよくあるよ。俺らも負けてられないな!」
「ああ…。」
明るく話してくれる安元さんと違い中村さんは私の顔をじっと見たまま心ここにあらずという感じで生返事を返していた。
「………?中村さん?あの…どうかしました?私の顔なにかおかしいですか?」
憧れの人に見つめられて赤くなる頬を押さえて中村さんに質問をする。
「え?ああ、いや。…まぁ、お前の顔がおかしいのは別にいつもの事だけど。」
「は……はぁっ!?中村さん!?いつもそんな風に思ってたんですか!?」
「ははっ。冗談だよ。」
「冗談になってません!」
そんな軽口を叩いて三人で笑い合うけど私の顔の赤みは中々取れてくれなかった。
中村さんと話す事にいつまでも慣れなくて
けど気まずさを感じて欲しくなくて必死に何でもないふりをしてた。
[お前]って言われるたび恥ずかしくて、けどそんな風に言われるほど仲良くなれたんだと思えて心臓が鳴った。
「俺達今日新宿のスタジオなんだけどAは?」
「えっ!私もです!奇遇ですね!」
「じゃあ一緒に出るか。」
「いいんですか!?」
安元さんの質問に答えると中村さんが席を立ってそう声をかけてくれる。
二人が先に出ていき閉まりかかった扉に慌てて手をかけた瞬間
「男に色目使ってんじゃねーよ。」
後ろからのそんな言葉を背中越しに聞いてから二人の後を追いかけた。
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いくは(プロフ) - 妄想腐女子さん» コメント嬉しいですー!ありがとうございます!最近滞りがちですが頑張ります(*´ω`*) (2018年6月22日 9時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
妄想腐女子 - 面白すぎます!!!声優LOVEにはとっておきですね!!更新、頑張ってください!! (2018年6月22日 0時) (レス) id: a8cadbb43c (このIDを非表示/違反報告)
いくは(プロフ) - 花陽さんありがとうございますー!初コメ超嬉しいです(*´∀`)頑張ります! (2018年5月26日 7時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新頑張ってくださいね!応援してます! (2018年5月26日 0時) (レス) id: f5d3d09cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いくは | 作成日時:2018年5月9日 9時