行動の真意〜中村side〜 ページ22
「…………は?」
小野さんの意外な一言に時間が凍りつく。
「いや、まだ確定じゃないんだけど!なんか最近おかしな事がたびたびあるんだよー。」
「小野くんの話を聞いてたら俺もちょっと思い当たる節があってさ。もしかしたらもしかするかもって今話してたんだ。」
小野さんは不安そうに、神谷さんは軽く眉間に皺を寄せて、いたって真面目に俺の目を見るからそれが冗談ではないことは容易にわかった。
「思い当たる節ってなんすか?」
言いながら俺は最近のAを思い出していた。
スタジオでも事務所でも、会った時はすこぶる元気で。
不安そうな顔とか悲しそうな顔なんて全くしていなかった。
……いじめ?
Aが?
思い当たる事と言ったら前に絡んでた女二人。
だが彼女達はあれ以来スタジオでも見ていないし、Aも最近は仕事が入ってるからレッスンスタジオにはそんなに行けてないみたいだった。
そこまで接点があるとも思えない。
「……聞いてる?中村くん。」
「…えっ?あ、すみません。もう一回お願いします。」
小野さんと話の途中だったの忘れてた。
「俺レギュラーでやってるアニメがあるんだけどさ、それにAちゃんも出てるんだよ。
準レギュラー扱いで、毎週じゃないんだけど、何話かに一回ってペースで。
そしたらさ、ちょっと前から急にAちゃん忘れ物が増えて。
ペンとかメモ用紙とか、最初は小さなものだったんだけど、この間台本忘れてきて。
言ってもAちゃんまだ新人だからさ。プロデューサーに注意受けちゃって。
そしたら次の週から自分の鞄肌身離さず身につけるようになったんだ。ブースにも持ち込むんだよ。鞄。
そしたらそれから忘れ物ピタッとなくなったんだよね。
それで俺、あれ?もしかしたら忘れたんじゃなくて隠されてたんじゃね?って思って。」
小野さんの話を聞いて先日のAを思い出した。
あの時はよっぽど大事な物でも入れているのかとさして気にもしなかったが、言われてみるとAが周りからひんしゅくを買うような事を自分からするとは思い難かった。
「小野くんの話聞いてさー、俺もしかしたらその隠してる現場に居合わせたかもしれないって思ったんだよねー。」
「…はっ?!」
小野さんの話とこの間のAの行動を頭の中で反芻していたら、これまた意外な言葉が神谷さんから飛び出した。
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いくは(プロフ) - 妄想腐女子さん» コメント嬉しいですー!ありがとうございます!最近滞りがちですが頑張ります(*´ω`*) (2018年6月22日 9時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
妄想腐女子 - 面白すぎます!!!声優LOVEにはとっておきですね!!更新、頑張ってください!! (2018年6月22日 0時) (レス) id: a8cadbb43c (このIDを非表示/違反報告)
いくは(プロフ) - 花陽さんありがとうございますー!初コメ超嬉しいです(*´∀`)頑張ります! (2018年5月26日 7時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新頑張ってくださいね!応援してます! (2018年5月26日 0時) (レス) id: f5d3d09cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いくは | 作成日時:2018年5月9日 9時