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小野さんという人 ページ18

「おいしいですね。牛丼。」

「ああ、うまいな牛丼。」

「そんな牛丼牛丼連呼しないで!?ごめんね!?俺も給料日前だからさ!」

私と中村さんの掛け合いに軽く涙目になって突っ込む小野さん。

なんか…かわいいなぁ、この人。
先輩なのに失礼だよなぁって思いつつ、本心からそう思ってしまう。

優しいお兄さんができた感じ。

「冗談ですよ!本当に美味しいです。けどいいんですか?ご馳走になっちゃって。」

「いいのいいの。後輩は大人しく先輩に奢られておくもんだよ?ね、中村くん。」

「ごちそうさまです。小野先輩。」

「誰が先輩だよ!同期じゃん!」

「えっ!?」


二人のやり取りを牛丼を食べながら聞いていると思わず吹き出しそうになった。

「ふ、二人って同期なんですか!?」

「まぁデビューの年は一緒だね。」

「中村さん、なんでいつも敬語なんですか?」

中村さんの返事を聞いて、そのまま疑問を聞き返す。
しかし返ってきたのは小野さんからだった。

「そうなんだよぉ〜!Aちゃん!中村くんってば全然心開いてくれなくてさ〜!
もう初めて会ってから3年位経つのに全然普通にしゃべってくれないんだよ!
ひっでーよね!?」

「へぇー…中村さんの心の扉は超合金製なんですねぇ。」

「ぶっ!!」

「うわ汚。」

吹き出しそうになった私とは違って中村さんは本当に吹き出した。

すかさず突っ込む小野さん。

……こういう所が仲良くなってもらえない原因では…?

「げほっ!違うでしょ小野さん!同期でも小野さんの方が年上だからってだけ!
それに初めて会ったのは3年前でも話すようになったのなんてここ最近じゃないっすか!」

「え。」

テーブルを拭きながら話を聞いていた私は思わず手を止める。

「二人って実はそんな仲良くないんですか?」

「え?仲良くなったよ今は!だからこうやってご飯も来てるんだし。」

「今日が初めてですけどね!」

「えー!」

私が初めて小野さんに会った時には仲良さげに二人で話してたから全然知らなかった。

「三年前は一緒にご飯食べに行く仲になるなんて思いもしなかったよね!」

「……小野さん?」

「ん?」

「さっきと行ってる事が全然違うんですが…?」

「あれ?そうだっけ?」

いたずらっ子みたいに無邪気に笑う小野さんを見て肩の力が抜ける。

なんだか近い未来、頼れるお兄ちゃんと妹ってよりは手のかかる子供と母親って感じになりそうだな…なんて思って笑いがこぼれた。

アルバイト→←小野さん〜中村side〜



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いくは(プロフ) - 妄想腐女子さん» コメント嬉しいですー!ありがとうございます!最近滞りがちですが頑張ります(*´ω`*) (2018年6月22日 9時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
妄想腐女子 - 面白すぎます!!!声優LOVEにはとっておきですね!!更新、頑張ってください!! (2018年6月22日 0時) (レス) id: a8cadbb43c (このIDを非表示/違反報告)
いくは(プロフ) - 花陽さんありがとうございますー!初コメ超嬉しいです(*´∀`)頑張ります! (2018年5月26日 7時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新頑張ってくださいね!応援してます! (2018年5月26日 0時) (レス) id: f5d3d09cf4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくは | 作成日時:2018年5月9日 9時

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