小野さん〜中村side〜 ページ17
あの収録から1ヶ月。
「あ、中村さん!おはようございます!」
「ああ、Aさんおはよー。」
俺達は普通に会話ができる程度には親しくなっていた。
「横に俺もいるけど。」
「あ、小野さん!おはようございます!」
「今気づいたの!?」
「そんな訳ないですよ!自分の大きさ知ってます?」
「なのに後回しなの!?」
「あはははは」
「笑って流した!!」
…まぁ俺より親しくなってる人はたくさんいるみたいだけど。
小野さんは会ったその日に意気投合したらしく、いつもは基本受け身のAさんが珍しく攻め(いじり)になる貴重な人物だ。
てか新人にいじられる小野さんって。
一応俺と同期なんだけど。
まぁその親しみやすさが彼の良いところなんだろうな。
Aさんはあの日言われたオーディションに参加し見事役をゲットした。
そして今日はそのアニメの収録日。
同じく途中参加で仲良くなった小野さんと一緒で嬉しいのか、いつも以上にニコニコしているAさん。
「ねぇ、今日の収録昼またぎでしょ?一緒にお昼ご飯行こうよ。」
「あ、いいですね!中村さんも一緒に行きませんか?」
「行こうよ!中村くん。」
二人で話が盛り上がってたので1人離れていると突然話を振られる。
見ると犬が二匹こっちを見て尻尾を振っているような幻覚が見えた。
「いや…。」
そこまでしか言ってないのに二人は眉毛を下げてシュンとした顔で尻尾を地面にポトッと………
間違えた。
「いや…いいですよ。何食べます?」
言った瞬間二人の表情はパッと明るくなり顔を見合わせてハイタッチをする。
「やったー!」
「いえーい!」
そしていそいそと何を食べるかの相談を始めた。
俺絶対邪魔者じゃね?なんて思ったりもしたが二人はそんな素振りを全く見せることなく、中村くんは何食べたい?なんて俺を輪の中に引きずりこもうとするもんだから、抵抗はやめて大人しく引きずりこまれておく。
Aさんも嬉しそうに俺を見る。
話すようになってわかったが、Aさんは思ったよりもよく喋りよく笑う。
そこには裏表なんて見えなくて。
最初に抱いていた不信感はこの1ヶ月ですっかりなくなっていた。
「肉ならなんでもいいっす。」
「出た中村くんの肉好き!」
「あははは!」
普段は杉田と家でゲームばかりしてるから静かなもんだけど
まぁ、こんな雰囲気の中に混じるのも悪くない、かな。
そう思いながら輪の中に自分から足を向けた。
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いくは(プロフ) - 妄想腐女子さん» コメント嬉しいですー!ありがとうございます!最近滞りがちですが頑張ります(*´ω`*) (2018年6月22日 9時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
妄想腐女子 - 面白すぎます!!!声優LOVEにはとっておきですね!!更新、頑張ってください!! (2018年6月22日 0時) (レス) id: a8cadbb43c (このIDを非表示/違反報告)
いくは(プロフ) - 花陽さんありがとうございますー!初コメ超嬉しいです(*´∀`)頑張ります! (2018年5月26日 7時) (レス) id: 31af189ded (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新頑張ってくださいね!応援してます! (2018年5月26日 0時) (レス) id: f5d3d09cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いくは | 作成日時:2018年5月9日 9時