【魔主役】私の中の一番の人気者。【wrwrd!】 (ページ2)

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_2話_ ページ2

光る橙色の瞳、サラサラの髪、暖かそうなニット帽に

可愛い豚ピン。

あ、なんかいいな。

と、恋愛も友達を作ることもろくに出来ない私だけど、

胸が激しく鳴り響く、周りの人達や…なんて呼ぼう、今私の

心臓が鳴り響いている原因の…ニット帽さんにしよう。

我ながら安直な名前。

｢シャオちゃん、トモダチ関係の問題なんて解決できるんか。
それに、レディーやぞ。｣

レイラーさんがそう茶化すように言う。

女たらしで浮気性らしいけど、案外悩みを解決してくれよう

とするいい人なのかもしれないなあ。

｢乙女の気持ちぐらい俺にもわかるわ！

てかお前、このあとデートとか言ってたやろ、ナツホちゃんやっけ？
昨日も誰かとデートしとったなあ、えと…カレンちゃんと。｣

ニット帽さんはにやにやしながらそうレイラーさんに伝える。

前言撤回、やっぱり浮気性の人は良くないな。雰囲気も怖いし。

だけど、面白いなあ。

でもちゃんと解決してくれそうにもないなあ。

ニット帽さんにドキドキしたのは、自分にはない所を感じたから…?

と、自分がううむと悩んでいると、ニット帽さんがこちらを

みてぱっ、と微笑む。

…!?

ぎゅっ、と胸を鷲掴みにされたような感覚に陥る。

｢あ、すまんな、放置してもうて、俺の名前はトイフェル・シャオロン!!お前の名前は？｣

関西弁は怖い、そう思っていたけど、トイフェルさんの

声は包み込んでくれるように優しくて、暖かくて、

また胸がばくばくなり始める。

嗚呼、本当に私には無いものをいっぱい持ってるなあ。

｢…？お、お前呼びとかされるの嫌いやったか？｣

長々と考え込んでる私に心配そうに的はずれな心配をする

トイフェルさん。

そんな姿を見てくす、と笑ってしまう。

いつの間にか他の相談者が来て、ほかの我々バトラの人らは

その相談者のところに行ってしまった。

『そんな事はないですよ、あ、私の名前はソトーチホ・Aです。
面白い人ですね、トイフェルさんって。』

トイフェルさんを見たのは初めてだが、トイフェルさんの

行動は笑えてしまう。

トイフェルさんはにかっ、と笑って快く私に返事をしてくれる。

『Aな！！全然タメとか、名前呼びでええよ、よろしく。』

と言って、私に手を差し伸べてくる。

『…！よろしくね、シャオロン！』

トイフェルさんからシャオロンに進化した。

仲良くなれた、のかな。