安定剤 ページ11
井「あー…と、どうしよう」
中「まぁ、なんだ。とりあえず、よろしく？」
一通りの説明を聞いて、社長室を出てため息を１つ。
流石、私より年上で、この業界と事務所が長いだけある。お二人はすぐに仕事のモードになった。…若干の動揺は隠しきれないみたいだけど。
「うぇっと…」
中「ティッシュ？」
「や、それはウエットです」
思わず冷静に突っ込んで、言葉と一緒に貰った台本で中村さんをぺしっと叩く。
井「おぉー、ナイスツッコミ。」
中「ま、初めての試みだけど大丈夫だろ。若葉さん順応力高そうだし」
「うぅ…安元さん、安元さんはどこですか…」
キャパシティを超えた出来事は、私に心の安定剤を求めた。ぐでぇ…とソファにもたれこむ私を、中村さんは呆れたように見つめ、井上さんはポンポン、と頭を叩いて笑った。
いまの中村さんの目、かっこよくて好きだなぁ…とか、井上さん、めっちゃいい匂いするなぁ…と現実からうっすら目を背け始めたとき、入り口の方から、細マッチョのおじさまが歩いてきたのが見えた。
「ありゃ、安元さんに会いたすぎて、とうとう幻覚まで見るようになってもたんか。」
安「俺は幻覚じゃねぇっ」
ビシッとしたキレのある、優しいバリトンボイスと、これまたビシッとしたチョップが上から降ってきた。
安「何してんのさ、こんなとこで」
中「それがですね」
安「うん」
中「カクカクで…」
安「ほう」
中「シカジカなんです。…あ、次の仕事あるんで俺先失礼しますね」
安「おう、じゃあな〜」
ひらひらと手を振る姿までイケメンな中村さん。そんな彼を見送って、安元さんが１言、つぶやいた。
安「結局あいつは何が言いたかったんだい？」
井「わかってなかったんかーい！」
「完全に話噛み合ってるとばかり…」
おいっ！！とキレキレのツッコミをした井上さんが、安元さんに呆れたように説明する。それを聞いた安元さんは、ほっほー…とよくわからないことを言ったけど、きっと納得したってことなんだろう。
井「Aちゃん、安元さんに懐いてるね」
安「うまいもん作ってやってるからかな？」
「なんか…パパみたいなんですよね」
安「独身だけどな」
言わせんなよ…としょげる安元さんを、井上さんがよしよしとあやす。けど、安元さんのパパ感は拭えないんだよね、私の中で。
安「まあ、頑張れ？」
井「適当〜」
なんとかなるよ、なんて微笑む安元さんは、やっぱりかっこいいな。
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ともとも(プロフ) - とっても面白いので更新してください！ (2019年6月10日 22時) (
レス) id: ba79015f92 (このIDを非表示/違反報告)
涼風瑠璃(プロフ) - ありがとうございます！じゅんじゅんはツッコミもできると信じて書きました（笑） (2017年11月25日 23時) (レス) id: e9793b59f4 (このIDを非表示/違反報告)
涼風瑠璃(プロフ) - 霧眞さん» わわ！いらっしゃいませ（笑）ありがとうございます！やはり安元さんのパパ感は拭えません…今夜はパパの奢りよっ！（笑） (2017年11月25日 23時) (レス) id: e9793b59f4 (このIDを非表示/違反報告)
涼風瑠璃(プロフ) - 美優さん» ありがとうございます！リクエストなどありましたらお申し付け下さい。可能な範囲で頑張ります！ (2017年11月25日 23時) (レス) id: e9793b59f4 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho(プロフ) - じゅんじゅんがツッコミに回るってなんか新鮮でイイ(o>ω<o) (2017年11月25日 18時) (レス) id: 0035085ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風瑠璃 | 作成日時：2017年11月21日 19時
