52話 許可証は悪魔の手に ページ3
次の朝、目が覚めた頃には、
リーマスはすでにホグワーツを去っていた。
朝の光が差し込む部屋でひとり、
入学式に出られないこともわかっていて暇を持て余した私は、
あることを思い出した。
『ホグズミード...！』
ホグズミード村に外出する許可証を、リーマスに渡し忘れていたのだ。
ただでさえ自由を奪われているというのに、
この先の楽しみまでなくなってはたまったものじゃない。
私は布団を剥いで、部屋の隅のトランクを引きずり出すと、中を引っ掻き回し始めた。
「...何を探している？」
『うわっ...！』
驚きのあまり飛び上がって後ろを振り向くと、
朝食の乗ったお盆を持ったセブルスが、こちらを覗き込んでいた。
『びっくりした...ノックくらいしてよ...』
「いつからここは貴様の部屋になった？自分の部屋をノックする馬鹿はおらん」
セブルスはいつものように私を冷たくあしらうと、
銀のお盆をベッドの側の机に置いた。
「朝食だ。さっさと食べろ」
私はベッドに戻って腰掛けると、
セブルスに文句を言われないうちに食事に手をつけ始めた。
セブルスは何やら、自分の机の上にあった紙切れをひらひらと私の方に向け、にんまりとした。
嫌な予感がする。
「さてと...お前の探し物はこれでよろしかったかな？」
彼の手には、私が必死に探していた許可証が握られていた。
『なんでセブルスが...！？』
私は思わずハムエッグを食べる手を止めた。
「賢いルーピンが我輩に預けたのだ。
つまり、体調が回復して我輩の許可を得るまで、ホグズミード行きはお預けだ」
私の楽しみがまた一つ減ったことに嬉々として、セブルスは上機嫌だった。
私はというと、リーマスを恨むくらいしかできなかったので、
むしゃくしゃしながらハムエッグにかぶりついた。
セブルスは許可証を丁寧に折りたたみ、ローブのポケットにしまい込んだ。
「食事が済んだら寝ていろ。我輩は入学式の準備がある」
わざとらしく言うと、空の食器の乗ったお盆をかかえて、
セブルスは部屋を出て行った。
＊
私は心底落ち込んでいた。
今日は双子とロンと、あのハリー・ポッターに会えるはずだったのに。
フレッドとジョージととびきりの悪戯をするはずだったのに。
生徒たちが大広間に集まってきているのだろう。
がやがやと騒ぐ声が、ここまで響いて聞こえる。
私は我慢できなかった。
気がつけば、私の体は勝手に動きだしていた。
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猫目石(プロフ) - 更新ファイトぉォぉォぉォぉォぉォぉォ！ (2021年12月14日 17時) (
レス) @page17 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
s - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ずっと応援します！！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: 84290475d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年3月29日 19時) (レス) id: 5960f9db2e (このIDを非表示/違反報告)
二モ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年3月10日 16時) (レス) id: 2f37a9d847 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - 続き楽しみにしてます。とても面白いです (2018年2月12日 19時) (レス) id: ab64c6cb5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2018年1月25日 19時
