65話 静かに震える怒り ページ16
『ありがとう…セブルス』
恐る恐る顔を見上げると、セブルスは落ち着いた声で言った。
「…呪いが濃くなったらどうするつもりだった？何が引き金になるか、自分でわかっているつもりか？」
私はなにも言えずに彼を見つめていた。
「その左目は、この右腕のように呪文を唱えればアザが引くようなものではないことはお前もよくわかっているはずだ。ダンブルドアでさえ解決できないことだ。貴様の勝手な行動で、貴様自身を危険に晒しているのだ」
彼は静かに怒りに震えていた。
『わかってる。でも、私はただネビルを助けたくてーーーー』
「貴様が助けなくても誰かがそうした。ましてや死ぬような怪我はしなかっただろう」
『だってあの時は咄嗟に…』
「ヒーロー気取りはもう止めろ。自分の身もろくに守れないお前が誰かを守ろうなんて馬鹿げたことを考えるな」
セブルスの冷たい視線に、私はもうなにも言えなかった。
そんなつもりじゃなかった、私はただ咄嗟にネビルを庇おうとしただけだったのに。
でも、セブルスの言うことは正しい。
行き場のない気持ちが込み上げて、私は唇を噛んだ。
セブルスは何も言わずにその場を立ち去った。
治ったはずの右腕が、どっと鉛のように重くなったような気がした。
「穏やかじゃないな」
声の方を振り返ると、燃えるように鮮やかな赤毛が目についた。
＊
『...フレッド、聞いてたの？』
「いいや。君とスネイプが揉めてるのを覗いただけだ。聞いちゃいないよ」
私は呪いの話を聞かれていたのではないかとドギマギしていたので、フレッドのその言葉を聞いて思わず安堵のため息を漏らした。
呪いが濃くなっていることは、セブルス、ダンブルドア、リーマス以外の誰にも話していなかった。
大切な友人である彼らを、私の呪いの問題に巻き込みたくはなかった。
それ以上に、呪いが濃くなっていることを自分で口にするのが、どこか怖かったのだ。
『授業中でしょ、何してたの？』
「聞かなくたってわかるだろ、”お楽しみ”だよ。フィルチに追いかけられて逃げてきたんだ」
ジョージとリーはまだ逃げ回っているらしい。
フレッドは運良く逃げ果せ、残りの仲間たちに思いを馳せているらしかった。
「それで、ようやく君もスネイプに嫌気がさしたのか？」
フレッドが冗談まじりに言った。
『そうじゃないよ...彼はいつも正しいの』
「へぇー。俺にはねじ曲がってるとしか思えないけどね」
彼は頬杖をつきながら、横目に私をみた。
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猫目石(プロフ) - 更新ファイトぉォぉォぉォぉォぉォぉォ！ (2021年12月14日 17時) (
レス) @page17 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
s - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ずっと応援します！！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: 84290475d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年3月29日 19時) (レス) id: 5960f9db2e (このIDを非表示/違反報告)
二モ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年3月10日 16時) (レス) id: 2f37a9d847 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - 続き楽しみにしてます。とても面白いです (2018年2月12日 19時) (レス) id: ab64c6cb5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2018年1月25日 19時
