63話 間一髪の救出劇 ページ14
ネビルの真っ青な顔が、声にならない悲鳴を上げながら、みる見るうちに遠ざかっていく。
誰もがハラハラして様子を見守る中、とうとうネビルは箒から真っ逆さまに落ちた。
私は咄嗟に自分の箒を掴むと、勢いよく飛び出してネビルを受け止めた。
体重を支えきれなかったのか、私の右手が虚しくポキッと音を立てた。
心の中で呻き声を上げながら、私はネビルを抱えたまま、よろよろと崩れるように地面に着地した。
『ネビル、大丈夫...？』
「う、うん。ありがとうA」
『怪我がないみたいで良かった』
ネビルは涙でぐちゃぐちゃの顔のまま、私に何度もお礼を言った。
マダムフーチが慌てて駆け寄ってきて、念のためにとネビルを医務室に運んで行った。
無茶をしたとは言え、私の場合は飛行訓練が初めてではなかったので、マダムフーチはスリザリンに５０点も加点した。
私はというと、ズキズキと痛む折れた右手を隠すのに必死だった。
あたりは”幻のシーカー”に向けて、パラパラと拍手が起こっていた。
私は目立つのが嫌いだったので、ネビルを見送ってそそくさとハリーたちの方へ戻った。
「A、すごかったよ！さすが幻のシーカーだな」
ロンはまるで自分のことのように得意げだった。
しかし、ネビルが見えなくなった途端、ドラコが大声で笑い出したので、あたりに嫌な空気が流れた。
「あいつの顔を見たか？あの大間抜けの」
また始まった。私は深いため息をついてドラコを見上げた。
ドラコは草むらの中からネビルの持っていた「思い出し玉」を拾い上げた。
隣にいたハリーが一歩前に踏み出して、ドラコを果敢に睨みつけた。
「マルフォイ、こっちへ渡してもらおう」
ハリーの静かな挑戦に、みんなの囁き声がパッとやんだ。
二人は険悪なムードで二言三言交わすと、箒を手に取って、たちまち空中に舞い上がった。
『へえ、やるじゃんハリー』
いとも簡単に見事に飛んで見せるハリーに、私心底感心していた。
ハーマイオーニーだけが、マダムフーチのいうことを聞けとキーキー叫んでいる。
みんながハリーたちの空中戦に釘付けになっている隙に、私はこっそり訓練場を抜け出した。
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猫目石(プロフ) - 更新ファイトぉォぉォぉォぉォぉォぉォ！ (2021年12月14日 17時) (
レス) @page17 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
s - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ずっと応援します！！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: 84290475d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年3月29日 19時) (レス) id: 5960f9db2e (このIDを非表示/違反報告)
二モ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年3月10日 16時) (レス) id: 2f37a9d847 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - 続き楽しみにしてます。とても面白いです (2018年2月12日 19時) (レス) id: ab64c6cb5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2018年1月25日 19時
