62話 幻のシーカー ページ13
「「幻のシーカー？」」
ハリーとロンが声を揃えて食いついたのを聞いて、フレッドの語り口調はさらに調子を上げた。
「諸君の目の前にね」
調子良く私の肩を叩くフレッドの手を、私は軽くあしらう。
「Aが、幻のシーカー...？」
「そうとも！」
『ちょっと、ジョージまでやめてよ...！』
ハリーとロンの熱い視線に耐えきれず目を逸らすと、双子は得意げな顔で私にウインクをした。
私はやれやれとため息をつく。
「謙遜するなって。去年スリザリンが優勝杯を取ったのは、紛れもなく君の活躍のおかげだろ。俺たちとしては、少々複雑だったけど...」
ジョージが悔しそうに言った。
「今年は出られないなんて残念だぜ。チームを辞める必要なんかなかったのに」
そう、私のクィディッチの試合は、去年きりとなってしまった。
左目の呪いが強くなっていることが原因で、セブルスに禁止されてしまったのだ。
仕方なくチームを辞めざるを得なかったのだが、元々居心地は悪かったので心残りはない。
ただ、空を飛ぶあの快感を味わう機会が減ってしまったことだけが残念だ。
一年で辞めた私の存在は、幻のシーカーとして巷で噂になっているらしい。
『残念だけど、仕方なかったの。でも、木曜日は久々に飛べるから楽しみだな』
「Aがいれば、マルフォイなんて屁でもないな」
ロンが嬉々として言った。私は苦笑いするしかなかった。
＊
待ちに待った飛行訓練の日がやってきた。
箒をまともに見るのも触るのも初めての生徒たちは、待ちきれないというようにそわそわしていた。
私は自分が初めて箒を持った日を思い出した。
あの時は、うまく飛ぶコツを掴んだフレッド、ジョージと自由に飛び回って授業をめちゃめちゃにして、マダムフーチがカンカンに怒っていた。
そのマダムフーチに急かされて、私たちはそれぞれ箒の真横に立った。
指示された通り、みんなが一斉に「上がれ！」と叫んだ。
私の箒はなんの迷いもなく私の手に収まった。ハリーもうまくいったようだ。
私たちは目配せして、互いににっこり微笑んだ。
「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってくださいーーーーーー」
マダムフーチの説明の途中、私のローブの中で、リーマスにもらった”危険察知ペンダント”が赤く輝いて激しく回転していた。
私は注意深く周りを見渡した。
すると、ネビルが笛が鳴る前に勢いよく地面を蹴って、ぐんぐんと上に浮かび上がっていく。
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猫目石(プロフ) - 更新ファイトぉォぉォぉォぉォぉォぉォ！ (2021年12月14日 17時) (
レス) @page17 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
s - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ずっと応援します！！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: 84290475d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年3月29日 19時) (レス) id: 5960f9db2e (このIDを非表示/違反報告)
二モ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年3月10日 16時) (レス) id: 2f37a9d847 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - 続き楽しみにしてます。とても面白いです (2018年2月12日 19時) (レス) id: ab64c6cb5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2018年1月25日 19時
