51話 良薬は口に苦し ページ2
「さっさと横になれ」
セブルスが私のトランクを部屋の隅に運びながら言った。
『...でも、ここはセブルスのベッドだよ』
「病人は他人の寝床の心配より自分の体を心配していろ」
私は言われるがまま、セブルスのベッドに潜り込んだ。
彼の匂いが私をふわりと包んだ。
セブルスは私を一目見た後、金色の小さなゴブレットを運んできた。
「薬だ。飲め」
ゴブレットには、暗い紫色の液体がなみなみと注がれていた。
『これ、苦いの...？』
「もちろんだ」
私の嫌そうな顔を気にもせず、セブルスは早く飲めと促した。
仕方なく、私は薬をぐっと飲み干した。
あまりの苦さに思わずべーっと舌を突き出した。
セブルスはいい気味だとでも言いたげにいやらしく微笑んだ。
『もっと甘くしてくれてもいいのに...！』
「文句を言う元気は出たようだな」
私は彼をきっと睨むと、空のゴブレットを突き返して、頭から布団をかぶった。
＊
セブルスの薬のおかげで、体は随分楽になっていた。
寝てばかりだったので、一日はあっという間に過ぎ、時間の感覚がおかしくなりそうだった。
次に目が覚めた時には、リーマスがわたしの隣でうとうととしていた。
「ん...ああ、すまない。私が寝てしまっていたね」
リーマスはふわりと欠伸をしながら微笑した。
『ごめんね、無理させて』
「いや。眠いのはいつもだ...ところで、私は明日帰るよ」
『えっ...じゃあ明日って』
「入学式だよ」
もうそんな時間が経っていたとは。
結局フレッド達のところにも泊まりにいけなかったし。
「入学式に出ようなどと考えているのではなかろうな？」
奥から釘をさすような鋭い声が飛んだ。
私はすがるような思いでリーマスを見つめたが、彼は眉を下げて笑うだけだ。
「助けてあげたいところだけど、今回ばかりはセブルスに賛成だな」
セブルスは勝ち誇ったように私を見つめ、にやりとした。
『リーマス、もう少しだけここにいて...私が治るまで』
病のせいか、私は少し寂しかった。
私が甘えたのが珍しかったのか、彼は驚いたような顔をした後、優しく微笑んだ。
「君が甘えるなんて」
『…恥ずかしいから言わないで』
私は顔を赤く染めた。からかうように笑ったと思えば、彼は悲しげな顔をした。
「…A、狼人間が学校を出入りしていると世間に知られれば、ダンブルドアが信用を失うかもしれない」
彼は私の髪を優しく撫でた。
「次の休暇に会えるよ」
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猫目石(プロフ) - 更新ファイトぉォぉォぉォぉォぉォぉォ！ (2021年12月14日 17時) (
レス) @page17 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
s - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ずっと応援します！！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: 84290475d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年3月29日 19時) (レス) id: 5960f9db2e (このIDを非表示/違反報告)
二モ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年3月10日 16時) (レス) id: 2f37a9d847 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - 続き楽しみにしてます。とても面白いです (2018年2月12日 19時) (レス) id: ab64c6cb5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2018年1月25日 19時
