43話 不吉な予兆 ページ43
来たるレイブンクロー戦に向けて、
止む気配のないどしゃぶりの雨の中、私たちは気を緩めることなく練習に励んだ。
そのせいか、私の体調は試合が近づくにつれて悪化していた。
朝起きると体がだるく、ひんぱんに頭痛に悩まされるようになった。
左目がちくりと痛むこともあった。
きっと疲れが溜まっているのだろう。
そう思っていた矢先のことだった。
試合は明日に迫っていた、その夜。
私はグリフィンドールの談話室で、フレッドとジョージと話していた。
「スリザリンが優勝するのは癪だけど、君を応援しないわけにはいかないな」
ジョージが言った。
「君がスニッチを取ったら、俺たちとびきりの仕掛けをやるぜ」
フレッドがにやりとした。
『頼むから楽しいやつにしてよね』
私は明日に備えて、いつもより早めに自分の寮へ戻った。
ベッドへ入ろうとすると、突然、左目に痛みが走った。
『っ....』
もう寝ている生徒もいたので、私は必死で声を抑えた。
頭痛や左目の痛みは、ここ最近時間が経つにつれて増していたが、我慢できないわけではなかった。
しかし、声が漏れそうになるほどの痛みに、私はさすがに異変を感じた。
トランクの中から手鏡を取り出すと、恐る恐る眼帯を外して鏡を見た。
思わずベッドの上に鏡を取り落とした。
見間違えだ。そうに決まっている。
だって、今まではこんなことーーーー
私は震える手で鏡を拾い上げると、もう一度ゆっくりと覗いた。
鏡に映る、赤毛の少女。
その左目は、赤く爛々と輝いている。
その左目のあたりにうっすらとある、黒いアザ。
こんなアザは今まで現れたことがなかった。
私は鏡を伏せた。
慌てて眼帯をつけ、何もなかったことにしようとした。
しかし、誰かに言わなくてはいけない。そんなことはわかっている。
リーマスに言おうか。いや、彼に手紙を書いたところで、すぐにどうにかなるとは思えない。
ダンブルドア先生か、セブルスか...
言ったところで、明日の試合に出させてもらえないことは確実だ。
それに休んだら、チームメイトはなんていうだろう。
他の生徒は呪いのせいだと勘付くに決まっているし、いいことなしだ。
明日の試合が終わってから報告しても、遅くはないはずだ。
私はそう思って、現実から逃げるようにベッドに潜り目を閉じた。
夢であってほしい。
明日の朝にはきっとなくなっているはずだ。
そう願いながら。
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空 - 短編集の続編ってもうないんですか？面白いので少し寂しいです笑 (2018年7月8日 22時) (
レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ(プロフ) - はじめまして、前作から読んでます！最近は更新がいっぱいで嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月8日 21時) (レス) id: 415ee3fd30 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 侑奈さん» とても嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 美南さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いいたします！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年12月20日 21時
