29話 新星シーカーの誕生 ページ29
『ビーター？』
新学期そうそう、めずらしく、
双子の頭は悪戯とは別のことでいっぱいだった。
「そうさ！クィディッチだ。君も一緒に見に行っただろ？」
フレッドが興奮で前のめりになりながら言った。
たしかに去年、二人に連れられてクィディッチの試合を観戦した記憶があった。
湧き上がる歓声、熱狂、目に見えぬスピードで過ぎ去る箒、高まる緊張。
思い出すだけで心が震えるほどの興奮だった。
この容姿と噂があるので私は人混みが好きではなかったが、
それを無視してでも見に行く価値のあるもだった。
「俺たち、そのビーターに選ばれたんだ！」
ジョージが瞳を輝かせた。
『すごいじゃない！じゃあ、今回の試合は絶対に見に行かなくちゃ』
二人の興奮に負けじと、私も満遍の笑みを浮かべながら言った。
フレッドがにっこりと微笑んだ。
「ああ。リーが無理にでも君を引っ張って行くって言ってたぜ」
リーと私もとても仲が良かった。
彼は私の左目や呪いの噂を受け入れてくれて、私たちは四人で頻繁に悪戯をした。
「でも、てっきりAもクィディッチチームに入ると思ってた。飛ぶのは得意だろ？」
ジョージに聞かれて、私の興奮は少し冷めた。
『うん...でも、チームが私を入れたいとは思わないよ。私はよく思われてないし...』
「じゃあ君以外に誰がシーカーをやるんだ？君がグリフィンドールにいてくれたらなあ...」
フレッドの言葉を聞いて、私は落ち込んだ。
グリフィンドールに入っていたなら。
私自身が誰よりもそれを望んでいる。
しかし私はリーマスの言葉を思い出して、それを考えるのをやめた。
「闇の魔術でもなんでも使って、脅せばいいじゃないか」
ジョージが冗談めかしくにやりと笑った。
『その価値はあるかもね』
私が思わず顔をほころばせると、フレッドが今度は困ったように笑みを浮かべた。
「でも俺たちとしては、君がおとなしく観客席にいる方が好都合だぜ。
君が飛ぶのが誰よりうまいって、一番知ってるのは俺たちだ」
私はその言葉に励まされ、チームに志願することにした。
私一人で行っても、取り合ってくれるかさえ微妙だったので、私はセブルスを頼ることにした。(「人前に出るのは貴様の苦手分野だったと思ったが？」)
セブルスに言われて、彼らは嫌々私の飛行テストをしなくてはならなくなった。
しかし、彼らが私を拒む理由はなかった。
私は、スリザリンのシーカーに選ばれた。
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空 - 短編集の続編ってもうないんですか？面白いので少し寂しいです笑 (2018年7月8日 22時) (
レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ(プロフ) - はじめまして、前作から読んでます！最近は更新がいっぱいで嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月8日 21時) (レス) id: 415ee3fd30 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 侑奈さん» とても嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 美南さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いいたします！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年12月20日 21時
